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14歳にして甲子園で…

 しかも小園君は枚方ボーイズ時代に第10回タイガースカップに出場し優勝。当時中学2年生だった小園君は14歳にして甲子園球場のショートの守備位置についていたのです。その時センターを守っていたのが大阪桐蔭の藤原恭大君。二人は口をそろえて「親友であり最高のライバル」とお互いを評しています。今年のお正月には二人でバッティングセンターへ。

“キョータ”“小園”と呼びあう二人は互いに尊敬しつつも「負けたくないところは?」と聞くとこれもそろって「足です!」と即答。小園君は50メートル5秒8、藤原君は5秒7とどちらにしても俊足なのは数字が物語っています。この夏甲子園で使っていたグラブも、内野手用と外野手用という違いはあるものの同じデザインのもの。いっそのこと二人ともタイガースに来ていつかセンターラインを守ってくれないか……とまで思ってしまいます。欲張りなのがタイガースファン。お許しを……。

北條史也選手も完敗?!

 そして小園君を“虎の恋人”という理由はもう一つ。それはタイガースが2014年にドラフト5位で植田海選手を指名して以降、高卒野手を獲得していないということです。そろそろ高卒野手を獲得してもいいのでは……甲子園で活躍した高卒野手、しかも同じ遊撃手で考えると今シーズン絶好調の北條史也選手がすぐに思い浮かびました。2012年の夏、藤浪投手擁する大阪桐蔭に惜しくも決勝で敗れ準優勝となりましたがそれでも1大会4本塁打を放つなど超高校級選手として注目されました。その北條選手もこの夏小園君のプレーをしっかりみていました。

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「打ち方かっこいいですよね」まるで年上のスター選手に対する感想。その後すぐに私は小園君の守備位置について北條選手に聞いてみました。みなさん小園君の守備位置ご存知ですか? 小園君は土ではなくほぼ芝生の上に立って守っているんです。

「守備範囲も広くなりますし、肩に自信がないとあの位置は守れないです。足もありますしすごいですね」甲子園を沸かせ、今もプロで活躍する北條選手も「自分の高校の時とは比べものにならないぐらいすごい」と脱帽の様子でした。(北條選手の優しい性格もあると思います)

 2年前、68㎏だった16歳の少年は今では80㎏の立派なドラフト候補になりました。この冬は報徳学園の購買で売られている「天むす」をお腹が少しでも減ると食べていたといいます。「人気なんで走って買いに行きます!」5秒8の足だと間違いなく人気の天むす競走にも負けたことはないんだろうと思いつつ、その姿を想像するとなんとも高校生らしく微笑ましくなってきます。入団したら、小園君プロデュースのお弁当は天むすに決まり!! “虎の恋人”と結ばれるよう……天むすたくさん食べよ。

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