「運命」とはこういうことをいうのではないだろうか。“虎の恋人”はわずか14歳の時から甲子園球場と赤い糸で結ばれていたのです。

“虎の恋人”との出会い

 彼と出会ったのはちょうど2年前。和歌山県の紀三井寺球場です。スーパールーキーは下級生ということを全く感じさせないほど堂々とプレーしていました。試合後の受け答えも恥ずかしがりながらもしっかり。「少しクリームがかった色のユニフォームがいいですよね!」憧れのユニフォームに身を包んだ16歳の少年からはすでにオーラが感じられました。

 ただ、見た目はまだまだ線が細く、むしろ周りの選手よりも少し華奢に感じるほど。当時の体重は68kgしかなかったそうです。「あの時はやばかったですね!!」当時のひ弱さを今は笑い飛ばすほど、立派にたくましく成長した高校球児は今では連日紙面をにぎわす選手へと成長しました。

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  小園海斗。兵庫県宝塚市出身。小学生時代は、ヤクルトの山田哲人選手を輩出した宝塚リトルリーグでプレー。中学になると枚方ボーイズに所属し、2015年にはU15日本代表に選ばれています。

 報徳学園では1年から遊撃手として活躍。高校でも2年生からU18日本代表に選ばれ、今も宮崎県で行われているアジア選手権に日の丸を背負って出場しています。もちろん今秋のドラフト候補です。

今年のドラフト候補に挙げられている報徳学園・小園海斗 ©AFLO

なぜ小園海斗が恋人なのか

 最強世代といわれた大阪桐蔭が史上初2度目の春夏連覇を成し遂げ、根尾昂、藤原恭大、柿木蓮など多数のドラフト候補がいる中、どうして小園君を“虎の恋人”と私はしたいのか。それは小園君に報徳学園に進学した理由を聞いた時に返ってきた答えを思い出したからです。

「あの胸の文字がかっこいいんです!!」兵庫県宝塚市出身の小園君は幼い頃から報徳学園のグラウンドの隣をよく通っていたそう。グラウンドで練習しているお兄ちゃんたちの姿に憧れていたといいます。『近くでよく見ていて憧れた』から報徳学園に進学。ということは『近くで一番なじみのある』はずの、阪神タイガースに来てくれるのが一番スムーズな流れなのではないか!! と私は勝手に思うわけです!