チームメイトたちの“訓示”への反応は?
すでにルーティンともなりつつある、この“訓示”を、チームメイトたちはどのような思いで聞いているのだろうか。公私共に仲の良い、浅村栄斗主将に尋ねた。
「笑顔になるぐらい」。
他にも、「特別記憶に残っている話はないです(中村剛也選手)」などなど、熊代選手自身が「みんなの心に響いてくれたはず」と、期待した通りの返答は得られなかったが、逆に言えば、それこそが、彼らの関係性上での通常ジョーク。イジられキャラ・熊代選手のキャラクターを引き立たせる最高の反応とも言えるのだ。
「すごいありがたい。どういう感情でみんなが思ってくれてるかは別として、そうやって冗談交じりでも言ってもらえるということは、片隅には僕の存在感がゼロではないということ。そこは素直に嬉しいです」と、熊代選手も愛情表現と受け止めている。
最近は、話のネタがなくなり、「銀さん(炭谷銀仁朗選手)に相談したりしています」と明かす。それでも、なんとか頭をひねり、アイデアを絞り出し、「チームが少しでもいい方向に向くように」と、雰囲気作りからのチーム貢献に全力を尽くしている。「どんな形でもいいから、とにかくチームに必要とされていたい。そのためだったら、何でもします!」
熊代選手に限らない。今、チーム内には、「どんな形でも戦力になりたい」「少しでも貢献したい」そんな、選手たちの気迫が溢れている。初めて「追われる立場」となり、毎日息詰まるような緊張感と充実感を味わっている選手が多い中、誰が試合に出ている、出ていないではない。全員の“主役意識”こそが、チームをさらに勢い付けている。残り20試合弱。ラストスパートの準備は万端だ。
※「文春野球コラム ペナントレース2018」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイトhttp://bunshun.jp/articles/-/8837でHITボタンを押してください。
この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。