医師から運転を禁止されるも免許を更新「大丈夫と思っていたので……」

 事故を起こした翌年には、てんかんと正式に診断を受ける。薬の服用を指示され、運転を禁止された。しかし、服薬は適切に行われなかった。逮捕後、被告人の職場のロッカーやデスクの引き出しからは、多量の飲み忘れた薬が発見されたという。

 妻も薬の飲み忘れには気付いており、仕事中の被告人に促す連絡をしていた。しかし被告人は、目の前の薬が飲み忘れなのか、それとも予備として置いているものなのかすら認識できなかった。

薬の管理もままならない状態だった ©beauty_box/イメージマート

 事故の2年前には、てんかん症状を有することを申告せず運転免許の更新を行った。

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検察官「更新のタイミングで、免許を返納しようとは」

被告人「大丈夫と思っていたので」

検察官「大丈夫とはどういうことですか?」

被告人「特に、なんとも考えてなかった」

 被告人は当時、運転するつもりはなかったのかもしれない。妻も、医師に禁止されて以降は自転車で通勤していたと証言している。しかし、その点を被告人に尋ねても「そうだったと思う」と曖昧な回答しかできていなかった。

 免許更新後、車検・自賠責保険・任意保険の更新も行っていた。

再度医師から運転を禁止されても、運転→今回の事故に

 事故の3カ月前には、救急搬送されるほどのてんかんの重積発作を起こす。この時に側頭葉てんかんと診断され、あらためて運転を行わないよう医師から指導を受けた。にもかかわらず、事故の前日には出勤とその帰宅時に被告人が車を運転していたことがわかっている。この日、同居している家族は被告人が運転していたことに気付かなかったという。

 同居している子どもが利用する可能性があるとして、車は家に置いていた。しかしそもそも事故後に「廃車」としており、必ずしも生活に必要なものではなかったはずだ。鍵も厳密に管理をしていたわけではない。妻はそのことについて「軽く考えすぎていた」、「浅はかだった」と答えた。