「腎臓病で死ぬから15歳なんであって…」

 宮﨑氏が開発に取り組む治療薬の仕組みは、構造的にシンプルだ。台紙から剥がれたAIMを体の外で大量生産し、猫に注射してやればいい。

 治験は昨年すでに完了し、「成功のうちに終わった」という。結果は劇的だった。AIMを投与しなかった場合、末期に近いステージの猫は半年で半数が死亡した。しかしAIMを投与した猫は、死亡率が大幅に抑制され、「腎臓病の悪化が止まって、元気なまま生きている」状態が確認されたのだ。

 

 ここで宮﨑氏の口から、衝撃的な仮説が語られる。

ADVERTISEMENT

「腎臓病で亡くなるから、猫の今の寿命は15歳なのであって、そうでなければ、おそらくその倍(30歳)くらいは生きられるのではないか」

 猫が「ピンピンコロリ」で天寿を全うする未来。それは決して夢物語ではない。では、この画期的な新薬は、私たち「人間」の不治の病(透析治療)をどう変えるのか? 人間の透析医療費「年間2兆円」を激減させるかもしれない壮大なプロジェクトの全貌は、動画の中で詳細に語られている。

【年内には実用化へ?「死因1位」猫の腎臓病治療薬の全容】「AIM」とは何か|猫にはなぜ腎臓病が多い?|副作用・値段は?|愛猫家からの寄付が会社設立の契機に|小澤征爾からの一言で「医師の道に」【宮﨑徹】
次の記事に続く 小学生の「222円」に研究者は言葉を失った…パンデミックに阻まれた“猫の腎臓病薬”を救った「1万人の猫好き」の執念