永瀬廉、松村北斗、目黒蓮から受け継いだバトン
その一方で、デビュー組は多忙なスケジュールゆえに、長期にわたる朝ドラへの参加が困難とされてきた。その流れに風穴を開けたのが、2021年『おかえりモネ』でりょーちん役を演じたKing & Princeの永瀬廉。それからSixTONESの松村北斗(2021年『カムカムエヴリバディ』)、SUPER EIGHTの横山裕とSnow Manの目黒蓮(2022年『舞いあがれ!』)へとバトンがつながれてきた。
そして、4年ぶりにSTARTO社から朝ドラ出演を果たしたのが、『風、薫る』の佐野晶哉である。しかも『風、薫る』はAK制作で、シマケンは共通語のキャラクターなので、佐野が演じると聞いた時はかなり驚いた。
朝ドラ登板に期待感を抱かせた『あなたのブツが、ここに』
しかし、佐野晶哉が朝ドラに登板する日も近いのではないかと、実はちょっぴり期待していた。というのも、2023年の朝ドラ『ブギウギ』、そして2026年後期に放送される石橋静河主演の朝ドラ『ブラッサム』で脚本を務める櫻井剛が手がけた2022年の夜ドラ『あなたのブツが、ここに』(NHK総合)での芝居が、強く印象に残っていたからだ。
NHK大阪放送局が制作した『あなブツ』の舞台は、コロナ禍真っ只中の2020年。勤めていたキャバクラの休業によって収入を断たれ、さらには給付金詐欺にあったシングルマザーの亜子(仁村紗和)が、コロナ禍で唯一需要の高まっていた宅配ドライバー業へと転身する話だ。未曾有の事態に見舞われ、誰もが俯いていた“あの頃”の手触りを思い出す名作だ。
そういえば、『あなブツ』で佐野晶哉が演じていた峯田健太も、宅配仲間から“ミネケン”と呼ばれていた。天真爛漫で伸びやかな佇まいは、どこか普段の佐野とも重なる。大型免許の取得を目指し、家計簿をつけながら節約に励む、まっすぐでピュアな青年だ。亜子への想いは気持ちいいほどに報われないのだが、宅配ドライバーならではの苦悩を共有し、コロナ禍をともにサバイブする同僚として、戦友のような関係になったふたりには、恋愛とは異なる心地よさがあった。
『あなブツ』といえば、仁村紗和を筆頭に、岡部たかしや津田健次郎らキャストが次々とブレイクしていった作品でもある。ミネケンを演じた佐野が「シマケン」でさらなる人気を掴むか注目したい。




