車弄りは自分だけの趣味とは限らない。家族や恋人を持ちながら「理想の愛車」を追求する人々の姿からは、悲喜こもごものドラマが浮かび上がってきた。

 今回は、「STYLE BOX MEETING 2026 関東ラウンド」の参加者から、「バットマン蔵」さん(60)をご紹介。

家族は誰もこの車に乗ろうとしないが、近所の子らには大人気の車だ

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子どもが自立し、クルマ熱が再燃

 今年で60歳になりますけど、ぼくらの若い頃はみんな、高校を出たら「どの車に乗るか」しか考えていなかったですよ。就職したら給料は全部車につぎ込む、そんな時代でしたから。

 ぼくも最初はリッター3キロしか走らないシボレーのカマロに乗って、そのあとハイラックスに乗り替えて。当時からバットマンが大好きだったので、車体に大きなステッカーを貼ったりもしていましたね。

大迫力のフロントマスク。そのまま映画の世界に登場できそうだ

 ただ結婚して子どもができてからは、やっぱり車にばかりお金をかけていられないですから。しばらくはノーマルのまま、ファミリーカーに大人しく乗っていたんです。

 でも、子どもが大きくなると、今度はすっかりやることがなくなってしまって。とくに休日はいつも息子の野球についていっていたんですが、高校を出てからはその機会もなくなり、これからどうしようかなと。それでまた、昔のように車を弄りはじめたんですよ。

ボディサイドに貼られたハニカムパターンが印象的

 このエクストレイルは、もともとバットマン関係の装飾だけで、黄色と黒でまとめていたんですけどね。そのうち「週に一度、何かのパーツを追加する」というのが習慣になり、キャプテン・アメリカにアイアンマン、孫悟空まで乗っちゃって……。

 もう、自分でもワケのわかんない車になっちゃいました。家族はもう、誰も乗ってくれませんよ(笑)。家のガレージで弄っていても、まったくの無関心。子どもが小さい頃にやっていれば、また違ったんでしょうけどね。

純正をベースに赤の差し色を効かせたインテリア

 街中でも、大人はみんな見て見ぬフリ。子どもたちは喜んで寄ってきてくれて、そこから親御さんとも会話が始まる感じですね。

バットマンカラーと星条旗カラーがせめぎあうサイドビュー

 あぁでも、お巡りさんからはしょっちゅう声をかけられますよ。今まで20人くらいと話したかな。職質とかではなく、皆「これ何?」「すごいねこのミサイル」みたいに、面白がって話しかけてくれる感じですね。

 最近は、この車で高校の求人回りにも行くんですよ。自分で製造業の会社をやっているのですが、たまたま進路担当の先生が車好きで、写真を見せたら「今度これで来てくださいよ!」って。

毎日ガレージで車を眺めながら「次の週末はどこを弄ろう」と考えるのが至福の時間

 学校の駐車場に停めておくと、生徒たちがわーっと集まって写メ撮ったりしてね。それで興味を持ってくれて、うちの会社に来てくれる子が増えてくれたら嬉しいですけどね。

次の記事に続く 「30代でおじいちゃんになっちゃった」ハイエースのカスタムに1000万円近くを投じる“43歳の祖父”が家族3世代で改造車イベントを楽しむようになった“驚きの背景”

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。