5月16日、北海道大学学術交流会館小講堂(札幌市)にて、台湾駐日本代表処台湾文化センター主催「台湾文化センター 台湾映画上映会 2026」の第1回上映会が開催された。上映された作品は、ワン・トン監督『海をみつめる日』(1983年/台湾語版)。上映後には本上映会のキュレーターを務めるリム・カーワイ監督と、台湾文学研究者で同志社大学准教授の唐顥芸氏によるトークイベントが行われた。

リム・カーワイ監督(左)と唐顥芸氏 ©台湾映画上映会2026

『海をみつめる日』
白梅(ルー・シャオフェン)は14歳で養父に妓楼に売られた。未来への希望を失い日々を過ごす中、かつての妹分が母となり、しあわせに暮らす姿に憧れを抱き、自分も誠実で気立てのよい客を見つけ、子どもを産み母になることを決意する。
監督: ワン・トン/出演:ルー・シャオフェン、 マー・ルーフォン、 スー・ミンミン、イン・イン/1983年/100分/台湾/©Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved.

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リム・カーワイ(以下、リム) まず唐顥芸先生に、本作を観た率直なご感想からお伺いしたいと思います。

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唐顥芸(以下、唐) 原作者である黄春明の小説はこれまでに何度も読んでいたのですが、この1983年制作の映画版を観るのは今回が初めてでした。あの時代の台湾の空気感や、今や大御所となった俳優たちの若々しい姿をスクリーンで見られたことに深く感動しました。

唐顥芸氏©台湾映画上映会2026

リム 近年、日本でもワン・トン監督作品の上映機会が増えています。『村と爆弾』『バナナパラダイス』『無言の丘』といった“台湾近代史三部作”や『赤い柿』などが紹介されてきましたが、その中でもこの『海をみつめる日』の上映は非常に貴重な機会となりました。本作の原作・脚本を手がけた黄春明さんは、台湾を代表する郷土文学作家として知られています。彼が牽引した「台湾郷土文学」とはどのようなものだったのでしょうか。