少女を共犯者に

 マクスウェルはこれらの少女たちを「雇用契約書」らしき書類にサインさせ、エプスタイン邸に勤務するスタッフとして週に数百ドルの給与を支払った。

 邸宅内では少女たちにセクシーだが清潔感のあるユニフォームを着せ、主要な仕事である「マッサージ」に加え、電話番や書類の整理、買い出しなどの業務を与えた。これによって少女たちに「(自分は性犯罪の被害者ではなく)ちゃんと仕事をしているプロフェッショナルなんだ」と思い込ませた。

 だが、マクスウェルが最も得意としたのは少女を共犯者に変えることだった。彼女たちに「貴方のお友達もここに連れてきて。その子もお金が稼げるし、一緒に働いた方が貴方も楽しいでしょ」などと友人を誘わせ、その紹介料を払った。一度友人を売ってしまえば、少女は「自分も悪いことをした」という罪悪感から警察に通報する恐れがなくなる。

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 一方、エプスタインはこれらの少女たちを金で支配しようとした。貧しい家庭出身の少女にとって、彼が時々与える数千ドル(数十万円)のボーナスや、高級ブランドのバッグ、最新型の携帯電話などは、エプスタイン邸で働くことを受け入れるために十分な魅力を持っていた。

ジェフリー・エプスタインの隣に座る若い女性/2025年12月18日、米下院監視委員会の民主党議員らが新たに公開した写真 ©AFP=時事

 エプスタインはまた、一部の少女の学費を肩代わりしたり、その家族に送金したりもしたとされる。これにより少女は「自分が逃げ出せば家族が困窮する」という重い責任を背負わされた。

 邸宅内ではエプスタインが裸で歩き回り、この男を少女が「マッサージ」する姿が他の少女たちによって目撃された。それは日常化した光景だった。マクスウェルは「これが大人の世界のルールよ」と繰り返し、少女たちの感覚を麻痺させた。

 物理的にも、エプスタイン邸には完璧な監視システムが整備されていた。邸内の随所に隠しカメラが設置されており、少女たちは自分たちの行動が常に録画されていることを知っていた。2026年に公開された資料では、少女たちの着替える姿や性行為が逐一録画され、それらの記録が彼女たちの弱みとして保存されていた実態が裏付けられている。

 少女たちはまた「安全のため」と称してマクスウェルから身分証やパスポートを取り上げられ、遠方や海外に逃亡する手段を奪われてしまった。そうやって何年もエプスタイン邸に居続ける間に、少女たちは「ここが自分の居場所であり、もう外の世界には戻れない」という諦めを抱くようになった。いわば精神的に打ちのめされた状態になってしまったのだ。

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