〈あらすじ〉

 2018年7月23日、フランス・パリ。5年前ウクライナから亡命してきたオクサナ(アルビーナ・コルジ)は、その日の夜、自身初の個展開催を控えている。

 彼女は、ウクライナ西部のフメリニツキーの生まれ。幼くして絵の才能を認められ、アルコール依存症の父とそれを支える母のために、イコン画を描き、家計の足しとしながら暮らしていた。しかし祖国に蔓延する不正義や男尊女卑への怒りが次第に募り、2008年、討論サークルで出会った仲間と自由な活動の場としてのフェミニスト団体「FEMEN」を結成。過激なアート表現を用いた抗議行動などで活動を拡大していく。

 そして2009年、首都キーウでセックスツーリズム撲滅を議員に訴える中、オクサナが下着を脱ぎ捨て上半身をあらわにするとカメラが集中。オクサナは、「私たちの胸は私たちの武器」だと確信し――。

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〈見どころ〉

 オクサナは勇気ある活動家であると同時に、異才のアーティストでもあった。その側面も丁寧に描かれている。

短い生涯を闘い抜いたウクライナの活動家でアーティスト、魂の物語
2008年にウクライナで生まれたフェミニスト活動団体「FEMEN」の共同創設者オクサナ・シャチコを描いた実話。上半身をあらわにしての抗議活動など過激なパフォーマンスで知られるも31歳の若さで自死を遂げた彼女。その“人間性”に迫るドラマ。

©2024 - Rectangle Productions - 2.4.7. Films - Hero Squared - France 3 Cinéma - Tabor Ltd 配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★☆☆☆政府や社会の腐敗を糾弾する主義主張はごもっともだが、表現方法や描写があまりにも生硬でありきたりだ。人々が群れて気勢を上げるシーンも、独りよがりで煩わしい。声や意見をはっきり届かせるにはもっと深い眼が要る。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★☆☆辿り着く先が政治難民の救われない絶望と孤独か。貧しさと女として生きる苦しみからの解放がこれほど残酷とは。今の日本に生まれた幸運に浸りつつ、円安日本がセックスツーリズム大国という現実に気づけと頭を殴られた。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆鮮烈な主演者A・コルジの危うく眩しい生命力の放射に惹きつけられる。急進的な政治運動の理想が俗的に変容していくモデルとしてもよく描けているが、何より思索と激情の渦の中をパンクに駆け抜けた女性の肖像が魅力だ。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆力強い魅力を放つキャスト、美術、などオクサナを表現する支柱はしっかりしている。だが、舞台がパリに入ってから理想が先走ってか迷走。フェミニズムの殉教者・オクサナを語るにはしっかりした脚本が必要だったのかも?

  • ゲスト評者
    竹田ダニエル(ジャーナリスト・研究者)

    ★★★☆☆社会運動の「正しい在り方」について考えさせられる。一方で組織内の対立や思想の変化が断片的にしか描かれず、頻繁に挿入されるフラッシュバック等の時系列が掴みづらい。個人と組織の実情を深く把握することがやや難しい。

    たけだだにえる/1997年生まれ、アメリカ出身・在住。「カルチャー×アイデンティティ×社会」をテーマに執筆、研究。2023年「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」を受賞。著書に『世界と私のAtoZ』、『アメリカの未解決問題』(共著)など。

  • 最高!今すぐ劇場へ!★★★★★
  • おすすめできます♪★★★★☆
  • 見て損はない。★★★☆☆
  • 私にはハマりませんでした。★★☆☆☆
  • うーん……。★☆☆☆☆

 

2018年7月23日は、オクサナがパリで過ごした“最後の一日”。自身が立ち上げたFEMENから距離を置いて孤独に生きる現在の姿と、仲間たちと活動に明け暮れた過去とが交互に描かれる。
©2024 - Rectangle Productions - 2.4.7. Films - Hero Squared - France 3 Cinéma - Tabor Ltd 配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
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『OXANA/裸の革命家・オクサナ』
5月22日(金)~
監督:シャルレーヌ・ファヴィエ(『スラローム 少女の凍てつく心』)
2024年/仏・ウクライナ・ハンガリー/原題:OXANA/104分
https://cinema.starcat.co.jp/oxana/