1990年代に今も多くの人たちに歌われる『離したくはない』やミリオンシングル『Bye For Now』を中心に数々のヒット曲を世に出した伝説のロックバンド「T-BOLAN」。現在、“ラストライブツアー”と銘打った全国公演を敢行。そして8月10日東京・日本武道館でいよいよラストライブを迎える。
幾度か解散や活動休止を繰り返してきたバンドの中でも、特に壮絶な経験をしてきたのがベースを担当する上野博文さん(61)だ。2015年にくも膜下出血を発症すると、「開頭手術」という頭蓋骨を外す手術を経験し、長らく意識不明状態が続いた。懸命のリハビリを経て復活を果たしたものの、2025年にはステージ4の肺がんを公表した。
くも膜下出血の発症から5日後に発見され、医師も驚いたという“奇跡の復活”を遂げた上野さんに、当時の話を聞いた。
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玄関で倒れていたところを発見された
――2015年にくも膜下出血を発症されました。当時のことは覚えていますか?
上野博文さん(以下、上野) 発症した時の記憶は全然ないのです。後から「大変なことが起こっていた」って、周りの人から様子を聞きました。
倒れて発見された日には、バンドのリハーサルの予定が入っていたんです。「いつもは遅刻しないのに、あいつが来ないのはおかしい」って、みんなが言い出したみたいで。マネージャーも「連絡がつかないし、何かが起きている」と察して、まずは近所で交通事故が起きていないかなどを調べたらしいです。
――普段から、真面目だったのが発見に繋がったのですね。
上野 最終的には、マネージャーが僕の家まで様子を見に来てくれました。すると、部屋の中は電気がついているのに、玄関はカギが掛かっている。ベランダの方から中を覗いてみたら、なんとなく人の気配がしたのでマンションのオーナーの方に頼んで、スペアキーで開けてもらったら、僕が玄関で倒れていたそうです。
――搬送された時には、部屋がかなり荒れていたそうですね。
上野 マネージャーが部屋に入ったら、なにもかもがバタバタに倒れていたそうです。それを聞いた時は「痛くて暴れたのかな」って思っていました。でも今振り返ると、身体が麻痺して思うように動かなかったはずなので、家にある色々なものを掴みながら最終的に玄関で倒れたんじゃないかな。
