“時代を作った人たち”の本音に迫る対談企画「有働由美子のマイフェアパーソン」。今回のゲストは、TBS日曜劇場「GIFT」に出演中の俳優、山口智子さんです。
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嘘が通じないテレビの潔さが好き
有働 1990年代に「連ドラクイーン」「高視聴率の女王」と呼ばれた山口さんですが、近年は国内外を飛び回って自ら発信されることが多いですよね。その一つが、旅の映像ダイアリーとして2023年に開設されたYouTubeチャンネル「山口智子の風穴!?」です。自分でカメラを回されて、普通の人が旅に出る時くらいの自然なメイクで出ていらっしゃる。テレビ的発想だと、しっかりメイクして自分をよく見せなきゃ、と思ってしまいますが。
山口 お会いする人に失礼にならない程度に軽くメイクはしますが、化粧で取り繕っても本質はバレますよ。私は子ども時代、テレビに夢や希望をいただきましたが、テレビの面白さって本質を映し出すところですよね。視聴者はニュースやインタビューを観て、この人は表面的にこう言っているけど本心は違うな、と一瞬で読み取るじゃないですか。
有働 あれ、不思議ですよね。
山口 嘘が通じないテレビの潔さが好きです。だから自分の心に嘘をつかず、正直に突き進むのみ。
有働 それでも私は取り繕うことで安心感を得ますけど、素の自分をさらけ出して怖くないですか?
山口 「怖い」って、「痛い」わけじゃないですよね? 痛くないなら、「怖い」くらい平気です(笑)。
有働 女優としてのイメージに傷がつくという不安はありませんか。
山口 人の判断はしょせん人の判断です。耳を貸す必要ありますか? 一番嘘が通用しないのは自分自身。自分の心に絶対嘘はつけません。
有働 私はNHKを辞めたのが50歳になる頃だったのですが、考え方が組織脳になっていて、「自由な発想で」と言われて自由に考えたつもりでも組織の枠から出ていなかった。こうして言語化することもできなかったです。
山口 金魚鉢の金魚と同じで、鉢の中がすべてになってしまうと、外に広がる大きな世界に気づけない。
有働 はい。怖さしかない。
山口 でも、この地球はとてつもなく大きく、一歩踏み出せば世界はどんどん広がりだします。だから「旅」って大事ですよね。日常から一度飛び出して、距離を置いて眺めてみると新たな発見がある。
有働 たしかに。山口さんも金魚鉢の中にいた時期はありますか?
山口 金魚鉢のような酸欠状態だったなと思うのは20歳頃。親から家業を継げと言われて育ったので、自分の将来の夢を考えないようにして、懸命に耐えていました。
