「国旗損壊罪」の創設に向けての議論が注目されている。日本の国旗を傷つける行為を法律で禁じるものだ。

 高市早苗首相は1月の衆院選公示日の街頭演説でこう訴えた。

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「外国の国旗を汚したり破ったら拘禁刑を受けるかもしれないのに、日本の国旗はどう扱ってもいいのは、やっぱりおかしい」

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 これ、どういうことか。

「法律論としては弱い」と指摘も…

 今の刑法には、外国の国旗や国章を侮辱目的で傷つけた場合に処罰する「外国国章損壊罪」がある。外交トラブルを防ぎ、円滑な外交関係を守るための規定だとされている。しかし日本国内で日本国旗をどう扱うかは外交問題にはならない。だから「個人の自由(表現の自由)」が優先されてきた。

 そのうえで高市首相は、「外国の国旗には厳しいのに、日本の国旗はどう扱ってもいいのはおかしい」と訴えたのだ。なるほど、わかりやすい。

 専門家はどう評価するのか。神奈川大の上田正基准教授(刑法)は「外国国章と『アンバランスだ』という主張について、感情論としては分かっても、法律論としては弱い」と指摘する(東京新聞4月1日)。

 感情としてはわかりやすい。だが、法律としてはそのまま成り立たない。高市首相の言葉が響くのは、その“わかりやすさ”ゆえだろう。しかし保守派の西田昌司氏ですら「国旗を大切にし、損壊してはだめだというのは賛成だが、罰則をつけるのはいかがなものか」と語っている。

 ただ、刑法をつくるならもっと根本的な問いがある。そもそも、本当にそんな行為が頻発しているのか。法律を新しく作るほどの必要性、つまり立法事実はあるのか、ということだ。