「初々しくない」と言われて…

 もちろん、壁にぶつかることもあった。1995年の『ウエストサイド物語』では、敵対する2つのギャング団の狭間で主人公トニーと恋に落ちるヒロイン・マリアを演じる。このとき、最初の本(台本)読みで演出家から、生まれて初めて恋を知るマリアが「初々しくない」と言われてショックを受けた。ここから自分のなかの初々しさとは何かと自問し、古い日記を引っ張り出してきて、初めて人を好きになったときのことを思い出してみたりしたという。

 同じく1995年には日本初のディズニーミュージカル『美女と野獣』が東京・大阪同時ロングランで上演されるにあたり、ヒロインの少女ベルを東京では先輩の野村玲子(りょうこ)、大阪では堀内がそれぞれ演じた。『美女と野獣』の公演は、『キャッツ』などへの出演を挟みつつ3年におよんだ。物語の展開にともない細かい心の変化を表さなければいけないので、演じるにはとてもハードな作品だったという。しかも、連日、昼夜2回公演があり、代役がいないとあってケガも病気もできず、毎日緊張が続くことになる。

劇団四季の同期の俳優・石丸幹二と(石丸幹二のXより)

 劇団四季を代表する女優となった堀内だが、1999年に退団し、1年ほど舞台を離れた。その後、2000年から翌年にかけて上演されたミュージカル『レ・ミゼラブル』のヒロイン・コゼットの役にオーディションで選ばれ、再デビューを果たす。しかし、ここからしばらく彼女は苦境を味わうことになる。(#2につづく

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