俳優の堀内敬子がきょう5月27日、55歳の誕生日を迎えた。日本初のディズニーミュージカル『美女と野獣』(1995年)ではダブルキャストでヒロイン・ベルを演じるなど、劇団四季を代表する女優として活躍。退団後は舞台だけでなく、ドラマや映画でも多くの作品に出演し、幅広い役柄を演じる彼女の“転機”とは?(全2回の2回目)
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劇団四季を退団した堀内敬子は、29歳だった2000年、ミュージカル『レ・ミゼラブル』のヒロイン・コゼット役で再デビューした。コゼット役はトリプルキャストで、堀内のほか安達祐実、歌手のtohkoが演じた。劇団を離れて初めての舞台に際し、《キャストの皆さんは、いろいろな方面で活躍していらっしゃる方々なので、いったいどういうふうなお稽古をなさるのか興味津々なんです。コゼット3人の出身もみんな違うので、話していて新鮮ですね》と当時のインタビューで語っている(『レプリーク』2001年1月号)。
『レ・ミゼラブル』に続いて2001年にはミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』に出演している。とはいえ、劇団にいれば運と実力で役をもらえたのが、退団してから数年間はなかなか仕事が回ってこず、舞台出演が年に1本ということもあった。当時の苦境をのちに《「名前が知らなければ使ってもらえないんだ」と身に染みました》と顧みている(「ヨミドクター」2018年7月27日配信)。
「あ、この人はいい」三谷幸喜に見出されて
そんな時期、ミュージカル『I LOVE YOU 愛の果ては?』(2003年/2004年)に出演していたところ、たまたま観に来ていた劇作家・演出家の三谷幸喜の目に留まった。三谷は堀内のことをまったく知らなかったが、「あ、この人はいい」とピンと来て、ちょうど予定していた『12人の優しい日本人』のパルコ・プロデュース公演(2005年)で一人だけ決まっていなかった役を彼女にしようと決める。終演後にはさっそく楽屋で挨拶している。
その日、堀内は共演者の川平慈英やマネージャーから、仕事に関して「押しが足りないのがいけない」と言われていたという。それだけに楽屋に来た三谷に《色々なことをすごく押した記憶があります。売り込みですよ》と必死にアピールしたらしい。もっとも、三谷は後年の対談で彼女からその話を聞き、《そんなのいらなかったのに。観ている人は観ているんだから》と返している(堀内敬子『こけらおとし シアタークリエ開幕 三谷さん、ここまで語って大丈夫?』徳間書店、2007年)。

