健康な生活と切り離せないのが、口の中の状態だ。しかし、昔の常識はいまや通用しない。例えば歯磨き時間は、長ければよいわけでもなくて……。虫歯予防の先進国スウェーデン式を中心に、最先端の口腔ケアを学ぼう。

 そもそも虫歯と歯周病の違いは何か。鶴見大学名誉教授の花田信弘氏が解説する。

「虫歯は歯の病気で、歯周病は歯茎の病気、両者は全くの別物です。共通しているのは、原因がデンタルプラークという細菌の塊であること。プラークが歯を攻撃すれば虫歯になり、歯肉や周囲の骨を攻撃すれば歯周病になります」

花田氏

 近年、特に歯周病の怖さが明らかになってきた。

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「歯周病になると、その原因菌が、血液を通じて脳を始めとした全身を回り、糖尿病や心疾患、リウマチ、大腸がん、認知症などの病気に影響を及ぼすことが報告されています。なかでも注目はアルツハイマー型認知症との関係です。米国では昨年8月、歯周病菌と認知症の関連性を踏まえた治療薬の臨床研究に約70億円の助成金を支出することが決まったほどです」(同前)

 虫歯や歯周病のリスクを減らすためにはオーラルケアが欠かせない。そこでいま、大きく注目されているのが、北欧の福祉国家スウェーデンの方法だ。

 スウェーデン式のオーラルケアを著作『歯を磨いてもむし歯は防げない』(青春出版社)で紹介した「ウェルネスデンタルクリニック」(町田市)の前田一義院長が説明する。

前田氏

「スウェーデンは世界の歯の研究をリードする歯科予防先進国です。例えば、歯の分野で有名なイエテボリ大学は、2021年の世界大学ランキング歯学部門で1位となっています」