平成28年、東京の中野区で25歳の女性が自宅アパートの玄関先で全裸の遺体となって発見された。
顔にはバスタオルが掛けられ、死因は頸部圧迫による窒息死。遺体からは男の唾液のDNAが検出されていた。犯人が法廷で口にした言い訳は、あまりにも常軌を逸したものだった。
「4兆7000億人に1人」のDNAが真犯人を追い詰めた
捜査当初、警察は元交際相手や付近をうろつくストーカーなど複数の容疑者をマークした。しかし、いずれのDNA型も遺体から検出されたものとは一致しなかった。
警察は被害者宅から半径500メートル圏内の成人男性に対して任意のDNA鑑定を実施。約80人の捜査員が検査キットを持って各家を訪問するという大規模なローラー作戦を展開したが、検査対象が1000人を超えても犯人は見つからなかった。
転機となったのは、事件後に転居した人物まで捜査対象を広げたことだった。真犯人の男は、事件当時に被害者宅から約400メートルのアパートに住んでいた。事件翌日にはアパートの管理会社に「引っ越すことになった」と連絡し、1週間後には実家に住民票を移していた。
捜査員の求めに応じて提出した口腔内細胞のDNA型が、遺体から検出されたものと一致。当時でも同じ型を持つ人間は「4兆7000億人に1人」とされる精度だった。
「友だちになりたかった」
追い詰められた男は最終的に犯行を認めたが、その供述は驚くべきものだった。部屋に侵入したのはLINEを交換して「友だちになりたかっただけ」だと主張。
被害者の乳首を舐めたことを問われると、「生きている可能性があったので、確認しただけです」と言い放った。
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