平成28年、東京の中野区で25歳の女性が自宅で全裸遺体となって発見された。

 顔にはバスタオルが掛けられ、部屋からはカギや衣服が持ち去られるなど周到な隠蔽工作が。新恋人、DV疑惑の元カレ、さらに浮上した第3の男……。彼女を殺害した「犯人」はどこへ消えたのか? なおプライバシー保護のため、登場人物はすべて仮名である。(全2回の1回目/続きを読む

写真はイメージ ©getty

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消えた恋人

 被害者の梶谷桃香さん(当時25)の姿が最後に確認されたのは事件当日未明、スマホをいじりながら自宅アパートに向かって歩いているコンビニの防犯カメラの映像だった。

 そのやり取りをしていたのが交際相手の小杉俊太郎さん(同32)だった。

〈そういえば、桃香って誕生日いつ?〉

〈ブルース・リーと同じ日☆〉

〈11月27日!!〉

 まさかそれが生前最期のやり取りになるとは夢にも思わなかったに違いない。交際2カ月目の小杉さんは、まだ桃香さんの自宅さえ教えてもらっていなかった。その後、LINEが読まれたことを示す「既読」にはならなかった。連絡してもなしのつぶて。そのまま音信不通になった。

 小杉さんと同様に困っていたのが彼女の勤務先である居酒屋店長だった。一度も無断欠勤などしたことがないのに、連絡もつかない。心配になって他のスタッフと一緒に彼女の自宅を訪ねてみたところ、クーラーの室外機が回っているのに、中から応答がなかったため、警察に相談した。