定時制高校の卒業を前に、実家から追い出され……

「レバニラ炒めを作れ」。父が命じ、小学生の理奈さんが酒のつまみを作る。勝手に他の食材を冷蔵庫から出すと、父は「おまえに食べさせるものじゃない」と怒鳴った。機嫌が悪い時は、げんこつで殴られ、冬の寒い夜、外に閉め出されることも珍しくなかった。やがて父に精神疾患の診断が下り、生活保護を受ける。

 中学卒業後、見かねた埼玉県の親類に引き取られ、定時制高校に進んだ。一般の塾に通えない子どものための無料塾に高1から通った。アスポートの学習支援教室だ。

「教室では誰も私の言うことを否定せず、話を聞いてくれたのが一番良かった」

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 理奈さんはお気に入りの若い支援員が来ると、男女に関係なくベタベタと体に触れたがり、見知らぬ人とインターネットで出会うこともあった。その理由を尋ねられると、理奈さんは「ぬくもりが欲しかった」と答えた。寂しさの裏返しだった。

 定時制高校で最終学年の4年生の夏前、事件が起きた。理奈さんは親類宅で家事を手伝っていたが、うまくできずに衝突を繰り返し、実家に帰されてしまう。だが、父は同居を嫌がった。

「どうしよう」

 どこにも行き場がなく、理奈さんは途方に暮れた。

次の記事に続く ハサミで腕を切り「精神病院に連れていって!」父から虐待→高校生で“ほぼホームレス状態”に…ヤングケアラーとして育った20代女性が送った絶望の日々