なお近年、悪質な占い師が特に目をつけているのがThreads(スレッズ)です。利用者に女性が多く、共感を重視する設計である一方、Xのコミュニティノートのように情報の真偽を検証するしくみがありません。そのため、根拠の乏しい主張やいわゆる「トンデモ」も、強い反論にさらされないまま拡散されやすい環境にあります。そうした投稿に反応した利用者や占い師をフォローしているアカウントをリスト化した、いわゆる「情弱リスト」をLINEへ誘導する手口も横行しています。

 インターネットの発展によって、今まで占い師と接点がなかった人までもが、悪質な占い師に狙われるようになりました。そして、そんな悪質な占い師による被害はお金だけにとどまりません。

立場を利用して体の関係を迫ろうとする

 占いは、いくら外れてもそれ自体が犯罪に問われることはありません。にもかかわらず、時折「占い師が逮捕された」というニュースが報じられます。

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 占い師が逮捕に至るケースは、大きく二つあります。一つは、第3章で触れた、占いを入り口にした投資詐欺や高額な霊感商法などの金銭をめぐる違法行為。もう一つは、鑑定という立場を利用した性被害に関わるケースです。

 背景には、占い師を取り巻く環境の変化があります。かつては占いの館などに所属し、店舗で活動する占い師が主流でしたが、コロナ禍をきっかけにフリーランスの占い師が急増しました。

 特に、対面鑑定するフリーランスの男性占い師には注意が必要です。占いの館のように常時複数のスタッフや客がいる環境とは異なり、密室で二人きりになる状況が生まれやすく、身体的被害に発展する危険が及ぶ可能性があります。

 ここから話すのは、フリーランスの男性占い師の鑑定を受けた、ある女性のお話です。

 女性が1回目に鑑定を受けたとき、占い師の鑑定はごく普通のものでした。しかし、それからしばらく経ったある日、占い師からこんなメッセージが届きました。

「お金はいらないのでもう一度会えないでしょうか。実は私にはオーラが視えるのですが、先日会ったときあなたのオーラはとてもよくない状態でした。一度ちゃんと霊視を行って、対策をお伝えしたいんです」

 女性は少し違和感を感じたものの「お金はいらない」という言葉もあり、もう一度占い師に会ってみることにしました。

 しかし2度目の鑑定は、1回目と雰囲気が全く違っていたそうです。

「あなたの住んでるマンションの近くにポストがあるでしょう?」

「あなたの部屋の家具の配置は、今こんなふうになっていますよね?」

 占い師は女性の自宅の周辺環境や部屋の間取り、家具の配置などをピンポイントで当てていきました。