易者は「お代はいらないから」と言い、占いを始めました。そして、その占いは驚くほど当たっていました。

 最初は警戒していた女性も、いくつもの事柄を言い当てられるうちに「この人は本物かもしれない」と思い始めます。

 やがて女性は、すがるような気持ちで息子の病気について相談しました。すると易者は、重々しく首を振り、こう言いました。

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「申し訳ない。私はただの占い師だから、病気を治してあげることはできない……」

 女性は「やっぱりだめか」と肩を落とします。

 しかし、易者は次にこのようなことを言ってきたのです。

「私には無理だが、知り合いにすごい祈禱師の先生がいる。彼なら運気の流れを変えて、お子さんの病気を治せるかもしれない」

 そう告げられた女性は、藁にもすがる思いで紹介してくれるよう頼み込みました。

「人気の方だから連絡がつくかわからないが……」

 易者と連絡先を交換した女性は、祈るような気持ちで返事を待ちました。その頃にはすっかり易者の言葉を信じ込み、祈禱師の存在にも疑いを持たなくなっていました。

言われるがまま500万円を支払ったが当然病気は治らなかった

 それからしばらく経ったある日、易者から「祈禱師に会える」と連絡が入ります。女性は易者と二人で祈禱師の元を訪ねました。

「私の力ならお子さんを守れます。祈禱を行い、邪気を払いましょう」

写真はイメージ ©AFLO

 提示された費用は500万円。通常なら払えるわけない金額。でも、病院での治療がうまくいっていない今、頼れるのはその祈禱しかありません。女性は「子どもの命が助かるなら……」と500万円を支払ってしまいました。

 祈禱師は2時間以上、汗だくになって必死に祈禱を続けました。その姿を見ながら、女性は「これでよくなるはず」と信じ切っていました。けれども、当然病気が治ることはありませんでした。

 幸い、息子さんはその後、数年をかけて回復したそうです。言うまでもなく、祈禱の成果ではなく、病院での治療の結果です。やがて女性は冷静さを取り戻し、自分が騙されていたことに気づきました。