最初のショックは40歳になる前

 目のシワ以外にも、「嘘でしょ!」という小さな老化を発見し、しばし落ち込むことを、ここ30年ほど段階的に繰り返してきたように思います。

 最初のショックは40歳になる前だったかもしれません。眉毛と鼻毛に白髪を1本、見つけたときでした。まもなくアチラにもコチラにも白い毛が1本、2本。

「あら、こんなところにも?」と言葉にしにくい場所にも発見し、驚きました。

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 続いてギョッとしたのは、唇の上に縦のシワを見つけたときでした。たまたま東海林さだおさんと対談をして、「老い」の話題になったとき、

「私、こんなところに縦のシワができちゃって」

 唇の上を指さしてそう告白したところ、「気にすることはないよ」とおっしゃってくださるかと思いきや、

「それは、今のうちになんとかしなさい」

 淡々とした口調で言われ、自分で思っていた以上に深刻な現象だと気づいたのです。

年とる力 (文春新書)

阿川 佐和子

文藝春秋

2026年5月20日 発売

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