「Twitterのコメントを読むだけ」で年収1000万円
――そのオーディションで見事合格し、奥井さんは初代NewsPicksキャスターとなりました。キャスターには年俸1000万円が約束されていましたが、Uber Eatsのバイトから年収1000万円は夢がありますね。一方で、奥井さんはアナウンサー経験もないわけで、相当なプレッシャーではなかったですか。
奥井 めちゃくちゃプレッシャーでした。当時NewsPicksの社員の中でも、私だけ飛び抜けて給料が高いんですよ。それなのに何のスキルもないし、何もできない。ただオーディションにラッキーで受かっただけだったので。
しかも『WEEKLY OCHIAI』自体もたった4回で終わっちゃったんです。それで私の存在は宙ぶらりんになってしまって。ただNewsPicksも大々的に募集をかけて決まったアナウンサーをいきなり解雇はできない。なので別の番組をやることになったんですが、Twitter(現X)に流れるライブコメントを読むだけの係になってしまって。超お荷物状態でした。だからNewsPicksに入って3年ぐらいは闇でした。
――それでもお仕事自体はあったわけですよね。
奥井 やってはいました。見た目は活躍している風だったんですけど、心はずっと自信がなく、劣等感ばかりで。「Twitterを読むだけの仕事なのに、なんで1000万円ももらっているの」って。オリンピックやパラリンピックを取材しても「なんで私がこんな取材をしているんだろう」「アナウンサーは絶対向いてない」とかずっと思っていました。
実際、民放のアナウンサーの方には「なんであんな人がアナウンサーを名乗っているの」と陰口をけっこう叩かれていたらしいです。一方で、番組のプロデューサーやスタッフはいい人たちで、アドバイスであったり応援もしてもらっていたんですが、それでも自信がない。実績が積み上がっていないんですよ。
――それで心がどんどん病んでいくわけですよね。
奥井 まずメンタルが病んだ時に頼ったのは友達で、飲み歩いてました。その次が神頼み。スピリチュアルな友達がいて、その子に姓名判断をしてもらったら「名前がよくない。変えた方がいいよ」と言われて、その言葉を鵜呑みにして「奥井奈南」に変えました。今は「奥井奈々」に戻しているんですけど。当時のメンタルだったら、「この壺を買って」と言われていても、買っていたと思います(苦笑)。
