2026 FIFA ワールドカップ(W杯)が、いよいよ6月11日(現地時間)に開幕する。4年に1度、世界中のサッカーファンを熱狂させるW杯だが、今回はアメリカ・カナダ・メキシコの3カ国共同開催であることに加え、39日間にわたって48チーム参加、104試合と、期間もチーム数も試合数もすべて過去最大の規模となっている。(寄稿:在米ライター・堂本かおる/全2回の1回目)

W杯チケットが3.7億円で転売

 世界人口の4分の3にあたる60億人が試合を視聴するとされる一方、数々の問題も噴出している。わけてもチケットの高額さが当初より疑問視されてきたが、4月にFIFA公式の転売サイトに約230万ドル(=3億7000万円以上)のチケットが登場し、誰もが驚愕した。

 また、開催3カ国の試合数はアメリカ78、カナダ13、メキシコ13と米国が圧倒的に多く、厳しい移民政策をしくトランプ政権下、世界中から渡米する選手、随行員、審判、サッカーファンへのビザ問題、入国禁止国問題が出ている。さらには米国と戦争中であるイラン・チームの処遇についても問題が派生した。

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トランプ大統領 ©時事通信社

 他方、米国内の試合開催地の一つであるニューヨーク()では、ニューヨーク市長のゾーラン・マムダニが「ワーキングクラスの人々が楽しめるように」と、破格の50ドル・チケットの手配など様々なプロモーションを大々的に進めている。

)ニューヨーク会場は、実際には隣州のニュージャージー州にあるメットライフ・スタジアム。W杯はスポンサー名の入った会場名を使用不可としており、「ニューヨーク/ニュージャージー・スタジアム」と表記される。

FIFA公式の転売サイトも…

 過去に例をみない高額なチケットについて、FIFAによる昨年の公式発表時より批判が起きていた。

2025年9月:FIFAは今回のW杯チケットの価格設定を「ダイナミック・プライシング(価格変動制)」とする旨を発表した。需要のピーク時に価格を引き上げ、需要の低い時期に引き下げる方式だ。「最安席は60ドル(=約9600円)、決勝戦の最高額チケットは6730ドル(=約100万円)」とも発表。ただし「10月のチケット販売開始後、および12月の対戦カード抽選会の前後に価格変動の可能性」があるとしていた。

2026年4月:新たに作られたFIFA公式のチケット転売サイトに230万ドルのチケットがリストアップされ、問題となる。

  この転売サイトについて、FIFAは管理はするものの利用者による価格設定には関与しない。ただし転売が成立すると売り手と買い手の双方からそれぞれ15%の手数料を徴収する。230万ドルのチケットが転売された場合、FIFAは69万ドル(=1億1000万円以上)の収益を得ることになる。