隈 各社が「株主に忠誠・株主優先」というアメリカンロジックにも取り込まれた。この事態は世界中で進んでいますが、日本のゼネコンは特に利益よりものづくりを真剣にやってきたから、その反動が大きく出てしまっています。たとえば建築単価はコロナと戦争で世界的に上がっていますが、それでも概ね1.5倍ほど。日本は下手したら3倍です。いよいよ都市は投機だけのための場所になろうとしている。

山本理顕氏と隈研吾氏は、同じ研究室の先輩後輩関係 ©文藝春秋

「市場原理に任せてはなりません」

 山本 現実は隈さんの指摘通りです。今や建築の現場で高度な技量を持った職人が足りません。そうなった最大の原因の一つが、2003年の労働者派遣法の改正です。高度な専門職に限られていた業務が大きく拡大され、これで派遣会社はまるで人身売買会社のようになってしまった。日本には優れた技術力をもった職人がいて、こうした人のおかげで優れた建築ができていたのですが、それが最早、不可能になってきているのです。職人の保護に限らず、公共建築の建設を決して市場原理に任せてはなりません。

 隈 行政による都市開発への介入は、世界では当たり前です。私も先日、オーストラリアのシドニーの都市計画に関わった際、マンション群の真ん中にコミュニティー施設を造ってほしい、託児所を造ってほしい、図書館も入れてくれ……と、行政側からメチャクチャ要望を出されました。それほど、都市は公共のものであり、行政が暮らしを豊かにするために指導するのだという意識があるのです。

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※この対談では、隈研吾さんに対する批判を山本理顕さんが本人に直接伝えています。果たして、隈さんの反応は——。約9100字の全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」に掲載されています(山本理顕×隈研吾「これでいいのか、日本の都市開発」)。

文藝春秋

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巨匠“激突” これでいいのか、日本の都市開発

出典元

文藝春秋

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