元社長・元副社長コンビが三部社長に辞任を勧告

 こうした異常事態が生じたのは、4239億円もの最終赤字を計上することになったからだ。赤字の原因は三部社長が進めた電気自動車(EV)戦略の失敗だった。

 三部社長は就任早々に「脱エンジン計画」を打ち出し、EVへの投資を加速させた。だが、2025年に第2次トランプ政権が誕生すると、世界的に脱炭素への流れが止まった。EVの販売が伸びず、EV戦略を見直さざるを得なくなったホンダは、金型や生産ラインなど資産の減損処理と、部品メーカーへの補償金などで、1兆5778億円もの損失を計上することになった。

〈EV戦略を見直し、業績の下方修正を決断する頃から、三部氏に対して一部取締役から退任を求める声が出始めたという。そして、大物OBたちが三部氏に直接引導を渡そうとしたのだ〉

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 4月9日、三部社長は貝原典也副社長と一緒に、2人のOBから都内のホテルに呼び出された。

〈待ち受けていたのは、元社長の川本信彦氏(90)と元副社長の雨宮高一氏(85)だった。

川本信彦元社長 ©文藝春秋

 川本氏はホンダF1の草創期から携わってきた技術者で、1990年から1998年まで社長を務めた。川本社長時代に副社長(1997年~2005年在任)となった雨宮氏は海外営業畑が長く、米国ホンダの社長・会長を兼任。営業部門のドンとして知られる。

「三部、お前辞めろ」

 そう言って、雨宮氏は三部氏に辞任を迫ったという〉

雨宮元副社長 ©共同通信社

 実は、この元社長・元副社長コンビが三部社長の経営方針に口出しをしたのは、この時だけではない。

 また、三部社長続投に異を唱えた女性取締役の動きや、詰め腹を切らされた三部社長の側近、そして川本元社長が本誌の取材に明かした三部氏とのやり取りについてなど、「文藝春秋」7月号、および文藝春秋の電子版「文藝春秋PLUS」掲載のレポート「ホンダ三部社長降ろし全内幕」では、一部始終が明かされている。

文藝春秋

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ホンダ三部社長降ろし全内幕

出典元

文藝春秋

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