「歌舞伎町は冷たくなった」
――ただ、昨今の渡世(「ヤクザ」の意)は厳しいと聞いています。
E氏 ヤクザはいま飯、食えないですよ。暴排条例は大きいですよ。お金貸してくださいってだけでパクられるんですから。銀行口座も作れないし家も借りられないですし。車も買えないです。
――歌舞伎町全体にも、その流れは来ているのでしょうか。
D氏 歌舞伎町の状況は、昔は誰でも受け入れるというか、体一つで歌舞伎町に来て「何か仕事ないですか」って言う街だった。そういう人を受け入れる土壌があったけど、昔に比べると冷たくなったよな。街の人情というか。
E氏 昔はねえ、ヤクザやりたいという奴がよくいたんですよ。そういう奴はすぐ飛ぶ(行方をくらます)んですけど。東京都もうるさいですよ、歌舞伎町には(注・石原都知事時代の歌舞伎町浄化作戦を思い出してほしい)。
――そんな不景気な中でもやはり、何かで当てたいという気持ちはありますか?
D氏 一攫千金はヤクザやってりゃあるんじゃない。ただ、人に情報を知らせてもらわなかったらそんなもんないけどね。だから、やっぱ大事なのは人付き合いですね。
E氏 堅気との付き合いは大事ですよ。ヤクザって言うと縛りがあるじゃないですか。堅気だと仕事できるんで。堅気と付き合いしとったら、何かしらでお金が生まれてくることもあるでしょう。
ヤクザを締め付けると日本のバランスが取れなくなる
――半グレがテレビ、新聞、雑誌を賑わせていますがDさんたちとの関係は?
D氏 まあ「棲み分け」だから俺らにはそれは関係ないわね。俺らは親分の意志で動くだけだから。たとえ(半グレと)喧嘩になったとしても絶対負ける気はしない。喧嘩のやり方が違うから。
――なるほど。暴排条例に関して、今の政治家に対して言いたいこととかありますか?
D氏 国のお偉いさんがやっていることだから俺らには分かんないけどさ。
E氏 だけどあんまりヤクザを締め付けると日本のバランスが取れなくなるぞということは言いたいですね。
――こういった厳しい現状の渡世で「夢」みたいなものはありますか?
D氏 兄貴と一緒にいたい、それだけだね。
E氏 そうです。それは自分も同じです。親父をもうどこまで上げるかですね。それが自分の本分ですね。
D氏 それが一番の誉だね。生きがいだね。ヤクザとしての生き方を全うするのが。