ソロデビューへのプレッシャーと葛藤

 グループでの成功を経て、彼女はソロアーティストとしても活動の幅を広げていくが、そこにはさらなる重圧が待ち受けていた。2021年にリリースしたソロデビューシングル「LALISA」、そして同作のカップリング曲「MONEY」が世界中で驚異的なバイラルヒットを記録した翌年、アメリカの「Rolling Stone」のインタビューで、こう語っている。

「いつもならメンバー4人が隣にいて、目を合わせるだけでエネルギーをもらうことができました。でも、ソロではそれができません。自分はエネルギーを誰からももらうことができない状況で、ファンは自分だけを見ているという構図が非常に大きなプレッシャーでした」

 しかし、彼女はそこで立ち止まらなかった。「でも、どうする? これが私のソロなんだから、やるしかない!」という持ち前の強いマインドで、そのプレッシャーを跳ね返していったという。楽曲制作において「ベストなバージョンにするために、最後の1分まで修正を繰り返す」という徹底したこだわりは、表現者としてのプライドが垣間見える。

デビュー曲の「LALISA」は7.7億回再生を超えている(BLACKPINKのYouTubeチャンネルより)

 グループ活動としてはYGと契約を継続しながらも、彼女はビジネスの面でも新たな一歩を踏み出している。2024年2月に自身のマネジメント会社「LLOUD」を設立。アメリカの名門レーベルRCAレコードと提携した。従来の枠組みに縛られることなく、クリエイティブの主導権を自ら握ることで、アーティストとしての自由な表現と、ビジネス展開をさらに加速させている。

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ルイ・ヴィトン、ブルガリ、SHISEIDOにも愛されるファッションアイコンへ

 リサの影響力は、もはや音楽・エンターテイメント業界という枠組みだけには収まらない。インスタグラムのフォロワー数1億人突破という数字に加え、世界のファッション界が注目する“アイコン”としての顔を持つ。

 ルイ・ヴィトンのハウスアンバサダー、ブルガリのグローバルアンバサダーに加え、2026年からはSHISEIDOの美容液のグローバルアンバサダーにも就任した。

 発表当時、日本のSNSの一部では「日本のメーカーであれば、国内の著名人を起用すべきでは」との声も聞かれたが、すでに世界市場で戦う「SHISEIDO」がさらなるグローバルシェア拡大を目指す上で、世界中にファンを持つリサの起用は、極めて合理的な戦略だったのだろう。

資生堂の美容液「アルティミューン」のアンバサダーを務める(資生堂のYouTubeより)

 一流トップメゾンや大手化粧品ブランドがリサに注目するのは、単に彼女のルックスが良いとか、音源の売り上げが好調だからという理由だけではない。彼女の生き様、内面から滲み出る「強さ」そして「美しさと愛らしさ」が、ブランドのアイコンとして相応しいと評価されているのだ。

 彼女はまさに、「BLACK(カッコよさ)」と「PINK(可愛さ)」が共存するという「BLACKPINK」の名とコンセプトを体現している。(#2へつづく

次の記事に続く 「アジア人女性で世界一」W杯に登場、BLACKPINKリサ(29)は何がすごい? サラリと語っていた“かっこよすぎる美学”とは「この先、若い世代に…」

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