「プライベートでの自分は…」
これほどまでに巨大な富、名声、影響力を手にすれば、人は誰しも自己を見失ってしまいがちだ。しかしリサの魅力は、商業主義の渦中に身を置きながらも、等身大の人間味を保ち続けている点にある。
「プライベートでの自分は、他の人と何も変わらない普通の人間です。予定がない日は、大抵遅くまで寝て、散歩に行き、デリバリーでご飯を頼みます。同年代の人たちと同じように、日々の小さな瞬間の幸せを楽しんでいます」
そして、かつての自分と同じように、異国の地で孤独に奮闘する若い世代へ向ける視線も温かい。同じくタイ出身の後輩アーティストが、プレッシャーから涙を流したときも、リサは自らが経験した厳しさをぶつけることなく、寄り添い「練習し続けよう!」と力強く励ましたという。
リサが語っていた“美学”
彼女が残した言葉の中で、筆者の胸を打った美学がある。ドキュメンタリー映画『BLACKPINK~ライトアップ・ザ・スカイ~』(2020年)の中で、彼女は未来についてこう語っていた。
「この先、若い世代に取って代わられても構わない。覚えていてくれたら」
音楽シーンの流れは恐るべき速さで移り変わり、続々と新しいスターが誕生する。その自然の摂理を受け入れつつ、「覚えていてくれたら」と微笑む彼女の姿には、“一過性の人気アイドル”を超えた、アーティストとしての気高さを感じた。
華やかなイメージと、泰然自若としたキャラクターのギャップに、人は惹かれるのかもしれない。時折メディアが報じる断片的なスキャンダルやゴシップ的な視点がいかに“ちっぽけ”なものであるか、彼女の歩みと姿勢を知れば知るほど痛感させられる。
ワールドカップという世界中が熱狂し、注目する大舞台。しかしリサは誰よりもストイックに磨き上げた圧倒的なパフォーマンスで、そのピッチをまたたく間に自分のステージへと変えた。それは、リサが名実ともに世界の音楽シーンを牽引するグローバルスターであることを改めて証明してみせた瞬間だった。
その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

