「あの人にはもう愛情はない」

 ところが、瑠美子さんはまた別のスナックの客と恋仲になった。相手は地元のエリートサラリーマンの小田政文(同40)だった。妻子と別居後、一人身になった寂しさから瑠美子さんのスナックに入り浸るようになり、わずか1カ月で男女の関係になった。瑠美子さんは店を閉めると、小田の自宅に通い詰めるようになった。

 小田は瑠美子さんに心を奪われ、結婚を意識して付き合っていたが、2カ月ほどして内縁の夫がいることを瑠美子さんに打ち明けられた。

「でも、あの人にはもう愛情はない。あなたを愛している。あの人は籍も入れてくれないし、稼ぎも少ない」

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 ヒモのような男に貢がされている不幸なスナックママ。小田の目にはそう映った。その後、林が小田の存在を知り、小田の自宅近くまで様子を見に来るようになっても、小田は毅然とした態度で突っぱねた。

「アンタじゃ瑠美子を幸せにできない。とっとと家を出て行くんだな」

 林は小田と瑠美子さんのデート先にも現れ、こっそり写真を撮るようになった。

「こんなところで何してる?」

「何もしていない。ちょっと休憩しているだけや」

「オレは瑠美子と別れるつもりはない。好きにさせてもらうからな」

 しばらくすると、そそくさと帰る。まるでストーカーのように付け回すだけで、啖呵を切ることもできない。小田は「文句の一つも言えないなんて、情けない男だなァ」と呆れていた。

 やがて瑠美子さんはほとんど自宅に帰らなくなり、そのことを知った親族らは、瑠美子さんの態度に怒りを覚えてスナックに乗り込んだ。

「瑠美子、いい加減にしろ。林さんや子どもたちを何だと思ってるんだ!」