激高した内縁の夫に命を奪われ、草刈り機でバラバラにされた40歳のスナックママ。犯行から9年後、夫の自供によって事件解明の幕が上がる。しかし、法廷で長男が口にしたのは犯人への怒りではなく、「彼を責められない」という驚愕の懇願だった。

 平成10年、三重県で起きた事件の結末をお届け。なおプライバシー保護のため、登場人物はすべて仮名である。(全2回の2回目/最初から読む

写真はイメージ ©getty

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不倫相手とホテルを転々

 親族は小田の自宅に乗り込んだが、もぬけの殻だった。その間、小田と瑠美子さんはラブホテルを転々としていた。

 親族は「小田に拉致された」と警察に届け出たが、瑠美子さんと小田は自ら警察に出頭して事情を説明。濡れ衣が晴れたことをきっかけに、瑠美子さんはまったく自宅に戻らなくなった。

「そろそろ店を再開したいから、いったん家に戻って準備するけど、心配しないで。私の心はあなたのものだから」

 5カ月後、瑠美子さんは何食わぬ顔で自宅に戻ってきた。林と顔を合わせても知らん顔だった。林が話しかけようとすると、口汚く罵り、それを見ている子どもたちの方がヒヤヒヤした。

「林さん、大丈夫?」

「大丈夫だ。お母さんが目を覚ましてくれるのを待つしかないよ」

 相変わらず、瑠美子さんは小田の家に入り浸り、たまに帰ってきても朝帰り。掃除も洗濯も一切しない。

 林がそれを代行し、4人の子どもたちと瑠美子さんの両親のためだけに生きているようなものだった。それでも瑠美子さんとやり直せるかもしれないという淡い期待を抱いていたが、小田の離婚が成立し、2人の結束はますます強まっていた。

 そんなある日、林が瑠美子さんのスナックが入るビルの前を車で通りかかったところ、瑠美子さんの愛車が止まっているのを発見した。