中学生男子と“禁断キス”、松本潤との大胆ラブシーン

 続けて挑んだのが、中学生の男子生徒(岡田健史、現・水上恒司)と恋に落ちる教師を演じたドラマ『中学聖日記』(2018年/TBS系)。「禁断キス」と呼ばれるキスシーンを演じて好評を得た。

 映画『ナラタージュ』(2017年)では、逆に高校時代の教師(松本潤)との断ち切れない不倫愛に溺れる女子大生を演じた。下着姿で恋人(坂口健太郎)との濃厚な絡みを演じたほか、松本とはトップレスで座位のまま結ばれるベッドシーンを演じている。

 いずれも、これまでの“純朴なヒロイン”像から脱皮するような役柄に見えたが、「等身大の役」「感情を内に秘めた役」という意味では大きく変わらなかった。前後の作品でも似た役柄が続き、この時期は「もう自分から出せるものがないかも」と心が折れかかっていたという(CLASSY. ONLINE 2025年10月10日)。

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 仕事が軌道に乗ったように見えても悩み続けるのは、彼女の真面目な性格の裏返しだろう。天才でもない。自信もない。肌荒れが多く、むくみやすいなど、コンプレックスも多い。しかし、そんな彼女を支えたのは、その真面目さだった。

「いろんな仕事にまじめに取り組んできた自負はあります。たとえ正解がわからなくても続けていく、その作業を諦めずにやってきたから“いま”があるとも思っているし」(GINZA 2020年3月20日)

元風俗嬢役で掴んだ“新境地”

 今泉力哉監督の映画『ちひろさん』(2023年)では元風俗嬢を演じ、騎乗位シーンまで披露した。まったく新しい役柄だったちひろさんを有村は「出会いたかった役」「救世主が現れたみたいな感じ」と振り返る(ぴあ映画 2023年2月23日)。誰とでも分け隔てなく接するが、人とは常に距離を置く。そんなちひろさんに自分を重ねていた。

「私、人は一生孤独だと思っていて」「人間は100%わかり合えることはない」と言う(TOKION 2023年2月22日)。その一方で、「誰かのために一生懸命になれるのは豊かなこと」とも言う(からだにいいこと 2023年2月15日)。実際、家族のために懸命に努力していた時期もあった。有村は自分を「矛盾している人間」と表現する(『AKANE MAGAZINE』同前)。

 新しいことに挑戦したいのに、自信が持てないのも矛盾している。だからこそ不器用でも真面目にコツコツやってきた。自信がないからこそ、一つひとつ逃げずにやってきた。それが有村架純という女優なのだろう。