――当時はまだ白髪を活かした「グレイヘア」とか「シルバーヘア」といった概念はなかった?
野田 その言葉自体、昔は聞かなかったですね。だからグレイヘアにシフトするきっかけもなかったし、私もまさか自分がこうなるなんて全然思ってもいなかったです。
「私はいつまでこれを続けるんだろう」白髪染めをやめたきっかけ
――「いつか白髪染めをやめたい」という思いはあったのでしょうか。
野田 さすがに50代の後半くらいになったとき、「私はいつまでこれを続けるんだろう」とは思ってて。
で、白髪染めをやめるかどうかの前にイメチェンしたくなって、ちょうど映画の『火花』に出ていた菅田将暉さんの髪の色、アッシュ系の色だったんですけど、それが素敵だったので、初めて白髪染めをやめてみたんです。
――真っ黒に染めて白髪を隠すのではなく、白髪を活かしたヘアカラーというか。
野田 そうそう。で、このまま自然に染めるのをやめてグレイヘアに移行できないかなと思って、「ヘアカラーやめられないですかね」って美容師さんに聞いてみたら、お年寄りの白髪の写真を見せられて。
美容師さんは何の悪気もないんですけど、その写真で見た白髪のショートカットは本当に「おばあちゃん」って感じだったので、やっぱり染め続けることからは抜け出せないな、と思ってしまって。
――そこから、完全にグレイヘアにできたきっかけは?
野田 アッシュカラーにした写真をインスタにあげたら、「ヘアカタログのモデルをやりませんか?」とお声がかかったんです。
そこから、撮影の時に担当してくれた美容師の方に全部おまかせするようになって、白髪染めも完全にやめることができました。
白髪は“隠すもの”ではなく、“使うもの”になった
――「グレイヘアへの移行が大変」という声を聞きますが、すんなり白髪にできたのでしょうか。
野田 たぶん一番いいのは坊主にしちゃうことなんですよ。リセットしちゃうのが一番よくて。私も短い、ほんとにベリーショートだったこともあって、グレイヘアにする時もノンストレスでした。
あとは家族も私の髪型とかに一切何も言わないので、それも楽でしたね。
――40年近く続けた白髪染めをやめて、はじめて自分の白髪を見た時はどう感じましたか。
野田 お、なかなかいいじゃんって(笑)。
正直、ずっと染めていたから、どこにどれくらい白髪があるかもわからなかったんですよ。で、蓋を開けてみたらほぼ全部真っ白だったという。
そこから、もはや白髪は“隠すもの”ではなく、“使うもの”になりましたね。
――白髪は“使うもの”?
野田 だって白髪じゃなかったらモデルなんかなれてないですから(笑)。背もちっちゃいし。

