たとえば、行きたいコンサートがあり、東京の公演はチケットが売り切れていて、名古屋ならまだチケットがあるとする。

それまでの自分だったら、「名古屋まで行くこともないな」とあきらめてしまうかもしれないが、「コンサートに行きたい」という胸の高鳴りを少しでも感じたら、それを無視せず行動に移すのだ。

こうやって「want」の声をキャッチして行動することで、自分自身の「want」の声がだんだん大きくなり、はっきり聴こえてくるようになる。「want」がメッセージを発しても、自分が無視してしまったら、その声はまたしぼんでしまう。

ADVERTISEMENT

なので、特にmustに反抗し、wantを育てるというプロセスを開始した最初は、「want」の声を育てるという意識を持つほうがよい。続けているうちに無視できないぐらい「want」の声が大きくなり、そうすればもう後戻りすることはなくなるだろう。

怒りには、自分の価値観が隠れている

wantに沿った行動をとるために、実はカギとなる感情があり、それは「怒り」である。自分の場合は、mustとの闘いを地道に続けていったが、「怒り」を表現することで、その闘いの日々に終止符を打つことができた。

怒りの感情が湧くのは「こうあってほしい」という期待が裏切られたときだ。なので怒りは、願望を実現するための武器である。

そして、我慢して生きている人に湧く怒りは、自分の根っこにある本質の「こうしたい(want)」から出てきていることが多く、怒りを感じているということは、自分が傷ついているサインなのだ。

一方で、怒りが湧いてきたときは、自分が縛られている「こうあるべき(must)」から自由になるチャンスでもある。

怒りをおぼえたときにどうすればいいのか。短絡的に暴言を吐くなどすれば、自分も損をする。最良の戦術を吟味するため、いったん態度を保留にして、持ち帰るとよいだろう。

怒りを感じたとき、丁寧に心の内を見て解像度を上げていくとよいだろう。怒りを深く掘り下げていくと、自分の価値観の本質に行き着くからだ。