月刊「文藝春秋」は、高市首相の最側近官僚の一人である茂木正・官房長官秘書官について、公費出張中に不倫相手の女性をホテルに呼び寄せていた疑いを報じた。記事によれば、当時の茂木氏は大阪・関西万博の首席国際博覧会統括調整官。公費で宿泊していたホテルの部屋に女性を招き入れ、複数回にわたって関係を持っていたという。
「筆者は文春は猟犬だと思っている」
これも一見すると不倫スキャンダルに見える。しかし気になったのは不倫そのものより、公費で出張し、公費で確保された部屋を私的な目的に使ったとされる点だ。
そこで、ここまで見てきた話を並べてみたい。
サナエトークン問題は、首相の名前や政治的影響力がどこまで私的なビジネスに利用されたのかという話だった。
松本文科相の問題も、議員会館という公的な空間が私的な関係の場として使われていたのではないかという疑惑だった。
そして今回は、公費出張という公的な制度の利用が問われている。
どこか共通した匂いがある。公私混同であり、権力への無自覚さであり、危機管理の杜撰さである。
さて、筆者は文春は猟犬だと思っている。獲物をとってくるけれど、猟犬自身には「良い獲物」も「悪い獲物」もない。政治ネタだろうが芸能人の不倫ネタだろうが、目の前に獲物(スクープ)があれば獲るだけだ。別に正義の味方ではない。どの記事を重要視するかは読者が判断するしかない。
「国会でゴシップばかりやるな」という人がいる。だが困ったことに、ゴシップの方から本質を連れてきてしまうことがある。結局、「もっと大事なことをやれ」と言われた記事ほど、「もっと大事なこと」を語っていたのである。
