森保一監督が一番、心の底から信頼しているのが、堂安律(28)だろう。
東京五輪を戦うU24日本代表を立ち上げた時、森保監督がチームの攻撃の軸に置いたのは三笘薫ではなく、堂安だった。その信頼の証は背番号10を任せたことからもうかがえる。
森保監督にとって10番は絶対的なエースの番号だった。子どもの頃は攻撃的MF・マラドーナが好きだった。また、自身が代表でプレーしていた時の10番はラモス瑠偉。その圧倒的な存在感から10番はチームのエースであり、一番信頼のおける選手という認識だった。
カタールW杯後にエースへの思いを深くした理由
堂安は、前回のカタールW杯では8番だったが、北中米W杯に向けて再スタートを切った2023年6月からは10番をつけ、今回のW杯も10番をつけて戦うことになった。
堂安は、エースの座にこだわって来た。
前回のカタールW杯でクロアチアにPK負けをした後、堂安はこういった。
「無力しか感じなかった。途中で交代して、ベンチから応援をしていましたが、やっぱりピッチに立ってなんとかチームを助けたいと思っていた。それができず、PKを蹴る際にピッチにいられなかった。
自分が本当にエースを狙いたいのであれば、PKでピッチに立っていないといけないですし、そこで外しても決めてもあいつならと思われる選手になりたい。そうなれない無力さを感じました」
その時、エースへの思いを深くしたのと同時に、強く思ったのがリーダーシップを執るということだった。当時、キャプテンの吉田麻也がキャプテンシーを発揮して、長友佑都がそれを支える形でチームはうまく機能していた。堂安は、食事の時も含めて、できるだけ彼らの傍にいて多くを学んだ。
「麻也さんと佑都君に共通しているのは、いるだけで安心感がありますし、ロッカールームでの話も非常に説得力があるということ。それがどこから来ているのか分からないですけど、普段の立ち振る舞いとか、発言とか、練習している時の態度ですとか、僕らは見て、生活してきているので、そういう細かいところからきているのかなと思ったりします。
ふたりみたいな選手は今の僕らの世代にはいないので、先輩方の背中を見て、ああいう存在になりたいと思いました。僕はエースになりたいとずっと言っていますけど、自分がリーダーになる覚悟を持ってやっていきたいと思います」

