「車なんて走れば一緒」。そんな常識の対極にいるのが、愛車のカスタムに人生と大金を注ぎ込む改造車マニアたちだ。夫とお揃いの軽トラに200万円超を投じる歯科助手、1台のワゴンRに500万円以上を費やす工場員、1500万円級のレクサスLXを惜しげもなく改造する農家、そして働きながらクラウンを仕上げる塗装工――。彼らの素顔と、カスタムという“底なし沼”から抜け出せない理由に迫った。

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夫は「飽きた」と言うけれど

 軽トラのハイゼットジャンボをカスタムする「マル農ワークス」さんは、歯科助手として働く女性だ。

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夫との出会いも車がきっかけ。車弄りを教えてもらいながら仲を深めていった

 ガンメタにピンクの差し色、ハート型のステアリングやマフラーカッターと、車内外の至るところにこだわりが詰まっている。夫の車とお揃いで仕上げており、「2台が並ぶ姿を眺めるのが幸せ」と語る。だが当の夫は「もう飽きたから辞めたい」と言い始めており、「絶対辞めないで」と全力で引き留めているのだとか。

ガンメタにピンクの差し色が印象的なハイゼットジャンボ

 勤務先の歯科医院でも院長から「なるべく奥の目立たないところに止めてくれる?」と言われてしまい、今では別の軽を足用に購入したという。それでも「一日中眺めていられる」ほどの愛着は、いっこうに薄れる気配がない。

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 同じく軽自動車を14年間カスタムし続けているのが、愛知県在住の工場勤務・亮太さんだ。乗り継がずに同じワゴンRスティングレーに500万円から600万円をかけてきた。

普段の足にはタントを使っている。そちらもシャコタン仕様のため、「足車なのに気を遣う」とのこと

「そのお金かけるんだったら、普通車買えばよくない?」「軽でここまでやる意味あるの?」と周囲から言われることは重々承知だという。「カスタムに区切りをつけるつもりはなく、『この車をもっとよくしたい』と繰り返しているうちに額が膨れ上がった」と振り返る。

もはや「重武装」という言葉がふさわしいほど改造されたワゴンRスティングレー

 独身で、野球観戦と車以外には「なるべく外食はしない」くらいしか節制しておらず、「さほど負担は感じない」と話す。

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 レクサスLXをカスタムする西山さん(64歳)は、元公務員・元建設会社経営という経歴を持ち、現在は農家として米作りを営んでいる。

40代からレクサスを乗り継いでいる西山さん。今回は初のSUV車種だとか

 購入当初は「1年乗ったら転売して500万円プラスで売ろうか」と考えていたが、カスタムするうちに愛着が湧いて手放せなくなった。

希少性の高いLXを惜しげもなくカスタム

「いくらコメを売っても車に使ってしまうので、お金はなくなる一方」と苦笑いするが、レクサスオーナーのミーティングで広がった交流が、惜しまずお金をかける動機になっているようだ。

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 210系クラウンをカスタムする石川さんは、中学卒業後すぐに塗装工として働き始め、10年以上同じ仕事を続けている。

地元の先輩たちのチームに誘われたのをきっかけに、クラウンのカスタムを始めた石川さん

 チームの先輩たちに誘われてカスタムを始めたのがきっかけで、「根っからの車好きというわけではなかった」と言う。カスタムにかけた費用は約200万円。「高校を出ておけばとは全然思わない」と語り、現状への不満もないという。

VIP系カスタムでは少数派カラーのシルバーで落ち着きのある印象に

 クラウンは今やイベントやミーティング専用になりつつあるが、「色んな人とつながるきっかけになる車だから、これからもカスタムを続けたい」と力を込めた。

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 彼らに共通しているのは、どれほどの時間とお金を注ぎ込んでも後悔がないこと、そして車を通じて得られた「人とのつながり」や「唯一無二の相棒」を心から愛おしんでいることだ。世間の目など意に介さず、彼らは今日も愛車を磨き、終わりなきカスタムの道を走り続けるのだろう。

次の記事に続く 「同年代の友達からは『稼いでるなぁ』と羨ましがられます」プライベートでは“アルファード”を改造して乗り回す男性が明かしたトラックドライバー生活のリアル《改造費2500万円をつぎ込む人も》

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。