「毎日カロリー計算をしているのに、なかなか成果が出ない……」。カロリーの数字ばかりに囚われるダイエットは、かえってストレスを生む原因に。実は近年の研究で、肥満の本当の原因は「エネルギーの密度」にあることがわかってきました。

 では、どのように「太らない食材」を選べばいいのでしょうか。山田陽介氏の著書『肥満脳のトリセツ』(講談社)より、一部を抜粋して紹介します。(全2回の2回目/最初から読む

カロリー計算にはあまり意味がない? ©beauty_box/イメージマート

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必ずしもカロリーが全てではない

 太る、というとカロリーの話になりますが、私たちの最近の研究では、それがすべてではないということがわかってきました。アメリカ科学アカデミー紀要(PNAS)で発表されたのが、発展途上国と先進国でのエネルギー消費量一覧です。それによると日常的に体をよく動かす人から、ほとんど座って過ごす都市部のオフィスワーカーまで、さまざまな生活を送る人々を調査し、体格の違いを調整して比較した結果、どの人も1日に使うカロリーはほとんど同じであることがわかったのです。つまりエネルギー消費量と肥満は全く関連がないことがわかります。一方で、身体活動の量と肥満とはおそらく関係しています。それには消費量というより、筋肉の質や量によるものが大きいのではないかと思われます。基礎代謝も消費するエネルギーもそれほど差はないといっても、一人ひとりの身体の体重の増減には、その人の食事の摂取量と日常の身体活動の量がかかわることには違いはありません。

食べものの「重量」が意外なカギ

 肥満の原因のもう一つはエネルギー密度の高い食品、あるいは超加工食品です。これらの摂取量が多い国では肥満が多いという特徴があります。

 結局、肥満のメカニズムの要素の中では、発展途上国でも先進国でも個人差はあっても、だいたい同じぐらいのエネルギーを消費しているというのがまずは一番大きい事実です。

 つまり肥満になるかどうかは、消費する方ではなくて摂取するエネルギー量に大きな差があることから生じる、ということになります。

 もう一つの要素では、摂取の量が増えるのは、血糖値が上がるかどうかよりも、意外にも食べる重量で満腹感が決まってくるのではないかということが言われています。