新規参入が増える背景に「ハックする方法」を教えるコンサルの存在
──国が医療法を改正してオンライン診療の適正化を進めても、ビジネスとしてのうまみに変化はないように見えます。
大塚 オンライン診療を法律に位置づけてルールを作るのは大事なことです。しかし、ルールの隙間を突いて儲けるにはどうしたらいいかと考える企業は増えている。「制度をハックする方法を教えます」みたいなコンサルタントやコンサルティング会社も多いのが実情です。
──広告規制もなかなか追いつかないという指摘があります。無診察処方を堂々と掲げたような広告や、明らかに国のガイドラインに違反する広告があっても、広告内容が日々変化する中でとらえきれない。オンライン診療の広告の問題についてはどのように見ていますか。
大塚 コンプレックスを刺激する広告が非常に増えているじゃないですか。本来必要ない人にまで痩せ薬を使わなきゃいけないと思わせたり、そんなに毛が薄くなくても予防でAGAの薬を飲まなきゃいけないと思わせたり、不安を煽って薬を買わせるような広告が目立ってきています。
不安を煽られてオンライン診療にたどり着いた人は薬を入手することが目的なので、医師の話をじっくり聞くことも難しい状況に追い込まれている。生成AIの進化で今は広告を無限に作ることができ、上手に使えば1分ごとに新しい「刺さる」広告が作れます。そういう環境の変化もあるので、オンライン診療の広告は本当に危ないと思って見ています。
──オンライン診療の仕組み自体がそもそも医療の本質に合わないところがあるのでしょうか。
大塚 オンライン診療は本来、へき地や離島で暮らしていて、薬を処方してもらうために何時間もかけて病院に通わなければいけない患者さんや、体調が悪くて通院できない患者さんのために推進すべきものだと思うんです。それが実際は、手っ取り早く欲しい薬を取り寄せるという通販のような使い方がされている。本来普及すべき人に普及せずにオンライン診療の枠組みがハックされ、いいように使われているところに問題があると見ています。
コロナ禍の日本で「感染を広げないように」という意味で国が整備した制度が、「悪用されている」と言うと少し言い過ぎかもしれませんが、ビジネスとして利用され市場が拡大しているという印象ですね。
トラブルが起きた時の対応を示していないサービスは要注意
──不適切なオンライン診療に対し国の規制がなかなか追いつかない中で、医師側に求められる取り組みはありますか。
