大阪の山中で派遣社員の男性(当時31)の遺体が見つかった。バツイチの交際相手を「救いたい」と万引きまで重ねて生活費を貢ぎ、罪を被った男。だが、その金は女性の「今カレ」の豪遊に消えていた。被害者はなぜ死を選んだのか? 平成20年、大阪で起きた事件の「発端」をお届け。なおプライバシー保護のため、登場人物はすべて仮名である。(全2回の1回目/続きを読む)
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「2人で自殺したが、死にきれなかった」
事件当日、山中にいるという女から119番通報があった。それが門脇眞理子(当時31)だった。眞理子はその足で管轄の警察署へ行き、「ここに〇〇消防署に勤務する平山聡を呼んでほしい」と要求した。この時点ではワケの分からない事件だった。
現場の管轄でもある〇〇消防署員が駆け付けると、窓が外側から目張りされた車の中で、派遣社員の井川秀次さん(同31)が倒れており、まもなく死亡が確認された。死因は硫化水素による中毒死だった。
元カレを利用して「偽装心中」
眞理子は「硫化水素を発生させて、2人で自殺しようとしたが、気持ち悪くなって車外に出た。途中で助かると、後遺症が出るので、確実に死ねるよう目張りをした」などと供述した。眞理子の体からは硫化水素の成分が検出されなかったので、殺人容疑で逮捕した。
3人の間に何があったのか。眞理子によると、井川さんは元カレで、平山は今カレ。今カレの平山と別れ話がこじれていたため、自殺願望のあった元カレの井川さんを利用し、偽装心中を持ち掛けたというものだった。
