交際相手のバツイチ女性を救おうと万引きを重ね、その金を別の男に搾取され続けた派遣社員の男性(当時31)。生活苦から死を志願した彼は、決行前夜に女性の携帯電話を見て「最悪の裏切り」を知る。なぜ男は踏みとどまらなかったのか。
平成20年、大阪で起きた事件のその後をお届け。なおプライバシー保護のため、登場人物はすべて仮名である。(全2回の2回目/最初から読む)
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事件の半年前、眞理子は平山に「救急救命士の試験に合格したら、ロレックスの時計をプレゼントする」と約束した。
平山がその気になったので、「勉強するから」と言われ、あまり会えなくなった。眞理子はたまに来る平山のメールに安らぎを覚え、〈寂しい思いをさせてごめんな。終わったら一緒に遊ぼう〉と言われ、それだけを心のよりどころにしていた。
ところが、平山はまったく勉強もしておらず、他の女性たちと遊びまくっていた。眞理子以上の「出会い系のプロ」だったのである。
突然の別れ話「オレには借金がある」
救急救命士の試験がある1カ月前、眞理子は平山に突然呼び出され、別れ話を切り出された。
「なぜ?」
「オレには借金がある」
「いくらあるの?」
「2500万円」
「そのお金さえ、準備できたらいいのね」
「できるわけないだろ」
「いや、できる!」
眞理子はその金さえ作ろうとしたが、しょせん焼け石に水。眞理子から金が引っ張れなくなると、平山はどんどん離れていった。
そのときになってようやく眞理子は自分が騙されていたことに気付いた。
