「すごい香りがする」——廃校になった校舎跡で仲間にそう言われて気がついた。北海道福島町・日の出は地すべりの危険から集団移転が進み、平成16年頃に無住となった漁村だ。

 廃村探索28年の第一人者・浅原昭生による『廃村大全』(大洋図書)より、かつて小学校だった場所にただよう「異臭」の正体を紹介する。

©浅原昭生

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「すごい香りがする」廃校舎からただよう“異臭”の正体

 日の出は、渡島半島南西部、福島町役場から6キロ離れている。津軽海峡に面しており、青函トンネルの北海道側にほど近い。

 日の出川河口付近は地すべりの多発地帯で、昭和28年3月5日に起こった地すべりでは20戸が埋没、倒壊などの被害を受けた。それでも昭和31年には41戸が暮らしていたが、地すべりの危険性から昭和51年には12戸が福島町中心部に集団移転した。その後昭和61年には7戸まで減少し、平成16年頃に無住化している。

 訪問時は小雨が降る秋の日。海に沿って走る道道は、東隣の漁村岩部で行き止まりになっていて、最果てに来た気分にさせる。

 日出小学校は、へき地等級1級、児童数46名(昭和34年)、大正13年開校、昭和52年閉校。学校跡は集落跡の500メートル東側にあって、道道から頼りない坂道を上がっていくと、先には草生した校庭、傷んだ体育館と崩れかけた木道校舎が建っていた。

©浅原昭生

 集団移転に伴う閉校後、学校跡はキャンプ施設として使われたというが、ずいぶん前のことなのだろう。仲間の一人が「すごい香りがする」と話したことから、校庭にはハッカが生い茂っているのに気がついた。高台にある学校跡からは海峡を挟んだ津軽半島の影がうっすらと見えた。

©浅原昭生

 続いて1軒の番屋が建つ海に近い集落跡に立ち寄った。船着場には漁船の姿があり、今も通いで漁業を営まれる方がいることが想像できた。神社は日の出川の東側、小高い場所にあったようだが、通じる橋は朽ちかけており、行けるような雰囲気ではなかった。

最初から記事を読む 50年前に「廃村」になった集落を訪ねると…北海道の山中に広がっていた「水没した校舎」を取り囲む“衝撃の光景”

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