「お前のせいで親が死んだんだ」
「人は、予期せぬことを聞くと大きく動揺します。それまでの親子関係がどうであっても、元気だと思っていた親の変化にショックを受けるのは当然のこと。特にハイパーセンシティブ(非常に感受性が高い)な人たちは、その繊細さから自分を攻撃する方向に向かう人もいれば、外に攻撃の矢を放つ人も。
最悪の場合、面倒を見続けてきたきょうだいに対し『お前のせいで親が死んだんだ』と攻撃をしてしまう可能性もあります。“お別れする”というアクションをとることで、親の死を自分の中で“突然の死”にしないことが大切です」
先生の言う“突然の死”とは、医学的な突然死だけでなく、納得できるお別れができないまま死別することを指す。不慮の事故や災害などのほか、家族が予想しないスピードで病が急変して死に至ってしまった場合、遺族には「どうして気づけなかったのか」「なぜこんな急に」という納得できない気持ちが生まれる。すると、親の死が何年経っても乗り越えがたい悲しいものになってしまうのだという。
「カリフォルニアから来た娘症候群」
親の急変を突然知らされた子どもが、ショックのあまり医療の現場を混乱させることもしばしばあるという。親と疎遠だった子どもが看取りの段階でやってきて、すでに緩和ケアに入っている親の治療方針に口を出すことを「カリフォルニアから来た娘症候群」(The Daughter from California syndrome)と呼ぶ。
元気だと思っていた親とのイメージの落差に戸惑い、これまで会いに来なかった後ろめたさも手伝い「自分がどうにかしなくては」と正義感にかられるのだそうだ。すでに効果がない治療を「してほしい」と訴えたりするため、医療従事者などから疎まれ、結局納得いく別れができないまま禍根を残してしまう。
では、それまで親と距離を置いてきた人に、親の死を「突然の死」にさせず、心にわだかまりを残さないためにはどうすればいいのか。岡山先生は、「できるなら、お見舞いに来てみて親と話してみて」とすすめる。