「親からお金をもらってはいけない」「親に恩を返して当然だ」――。親に対するそんな遠慮や美徳が、結果的に自分を追い詰め、きょうだいへの怨嗟に変わってしまうとしたら、これほど不幸なことはない。親が死んだ後も、子どもは生き続ける。きょうだいの人間関係は続いていく。生き残ったきょうだいが恨み合わないでいられるためにどうすべきか。後悔しない親の看取りを考えることは、親にできる最後の親孝行なのかもしれない。

市岡 ひかり(いちおか ひかり)
フリーライター
時事通信社記者、宣伝会議「広報会議」編集部(編集兼ライター)、朝日新聞出版AERA編集部を経てフリーに。 AERA、CHANTOWEB、文春オンライン、東洋経済オンラインなどで執筆。2児の母。
岡山 容子(おかやま・ようこ)
医師、おかやま在宅クリニック院長
1971年、大阪府堺市生まれ。4人姉妹の次女として育つ。1996年、京都府立医科大学卒業後、麻酔科医として京都府立医科大学病院や西陣病院にて勤務、その後在宅医療分野へ転向。2015年、京都市内に在宅療養支援診療所おかやま在宅クリニックを開設し、訪問診療、緩和医療、認知症治療などに携わる。2018年より産経新聞大阪本社地方版でコラム「在宅善哉」を連載開始(筆名:尾崎容子)で。2020年、真宗大谷派にて得度を受け僧侶となる。現在は終末期をみる医師として、地域密着医療を実践するほか、看取りの勉強会を主宰する。著書に『老後を心おだやかに生きる いのちと向き合う医師の僧侶が伝えたいこと』(明日香出版社)『毒親を在宅で見送った緩和ケア医が伝える 関係のよくない親を看取るということ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。
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