「警察官は、『佐藤さんのことは絶対に守りますから、奥のほうに隠れていてください!』と声をかけてくれた。でもクマは、ガラス戸越しに立ち膝になっている警察官の脚の辺りをクンクンと嗅いで、鼻先で戸をこじ開けようとする。そのうち、同僚のパトカーがやってきて、警察官はクマが裏に戻った隙にパトカーまでダッシュ。トランクから防具を取り出し、また戻ってきた。『これを着ければ大丈夫ですから』と肩まであるヘルメットを手渡されました」(同前)
鶏9羽が食べられていた
最初の通報から1時間以上が経った午前9時過ぎ、猟友会のハンター2名が到着。5分ほど家屋の周囲でクマを探すが見当たらない。
「いないなあ」
こうハンターたちが顔を見合わせた瞬間、鶏舎からボンッと黒い塊が飛び出し、林に向かって走り出した。
パァーンッ。
散弾銃が腹部に命中しクマは絶命した。鶏舎の網にはいくつも穴が開いており、鶏9羽が食べられていた。
地元猟友会関係者が語る。
「駆除したクマを解剖すると、胃は鶏の飼料が入ってパンパンだった」
野生動物の被害把握業務などを展開する株式会社うぃるこ代表でクマの生態に詳しい山本麻希氏がその食性について語る。
「クマの餌は木の実などが主で、広い雑食ですが、肉を好まないわけではない。鶏舎の網を破って鶏を食べる被害は以前から多い。鶏舎の周りに飼料が落ちていたりすると、味を占めることがある。また家庭ゴミの匂いに引き寄せられたクマがゴミを漁ることもあります」
《この続きでは他の生存者4人による「わたしのクマ恐怖体験」証言を詳しく報じている。記事の全文は現在配信中の「週刊文春 電子版」および6月18日(木)発売の「週刊文春」で読むことができる》

