「このボールでW杯をやるのは恥」選手がボールにブチギレたことも
次の大きな変化は、2006年ドイツ大会の公式球「チームガイスト」だ。従来の手縫いに代わり、パネルを熱で圧着する「サーマルボンディング(熱接合)」技術が採用された。
パネルの形状も五角形・六角形の組み合わせから、14枚の「プロペラ状パネル」へと刷新している。「縫製から熱接合になったことで、さらに真球性が高まった」と浅井教授。FIFAによれば真球度の誤差は「わずか1%未満」となった。熱接合によって縫い目がなくなりボールの内部に水が入りにくくなったことで、防水性も大幅に向上した。
長らく目指してきた「真球性」が一段落を迎えたのが、2010年南アフリカ大会の「ジャブラニ」だ。パネルの数はわずか8枚に減り、ボールはよりツルツルとした表面になった。
「ジャブラニは空気抵抗がさらに小さくなって、トリッキーな動きをするようになった。表面がツルツルだと、空気抵抗がない分、不規則な動きが出やすいんです」
グループステージのデンマーク戦で本田圭佑が繰り出した「無回転シュート」はその代表例だ。一方でこのアンコントローラブルな動きが、選手たちから不評だった。
スペイン代表のゴールキーパーだったカシージャスは「ビーチボールみたい」と困惑。イタリア代表の同じくキーパーだったブッフォンは「このボールでW杯をやるのは恥」とまで発言している。守備だけでなく攻撃時にも足を引っ張ったようで、大会中の1試合当たりの平均ゴール数は「2.27」と、歴代ワースト2位の数字を記録した。
なぜ、ゴール数が“激増”?
続く記事では、前回までのワールドカップと比較し、1試合当たりのゴール数が増加傾向の今回・2026年大会の公式球「トリオンダ」の特徴や、ここ数年のボールの変化について引き続き浅井教授に聞いていきます。
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