「悔しいと思える立場じゃなかった」初めて味わった大きな挫折

 この試合を最後に上田は、出場機会を失った。スペイン戦で躍動し、逆転勝ちに持って行った選手たちを「すごい」と、まるで傍観者のように見ていた。

 後日、上田はテレビで、このように語った。

「(カタールW杯は)悔しさと同時に、何もできなかった自分に納得している自分がいて。試合に出たいと思いつつ、正直、自分の心のどこかで、じゃあ出てチームのためになれるのか? という不安もありつつ、自分の実力への自信がなかったというのが、当時あって。ベスト8という目標を達成できなかったことに、悔しいと思える立場じゃなかったというか、その権利があるように感じなかったのが事実ですかね」

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 上田にとっては初めてとも言える大きな挫折だった。

 2019年に鹿島アントラーズに入団し、2021年には29試合14得点を挙げてエースに成長した。2022年にベルギーのサークル・ブルッヘに移籍し、40試合で22得点を挙げて高い評価を受け、2023年にオランダの強豪フェイエノールトに移籍した。

現在はフェイエノールトでプレーしている(本人のInstagramより)

 日本代表でもアンダーカテゴリーでは東京五輪を経験し、A代表は2019年にコパアメリカに臨む東京五輪世代が中心のチームに初招集され、存在感を増していった。

苦手だったポストプレーの練習を繰り返し…

 2022年2月には上田自身のSNSで、モデルの由布菜月(28)と結婚したことを発表し、私生活も充実した。海外での自信と代表での経験から自分がエースになるんだという意識を持ち、初のW杯となるカタール大会に臨んだが、鼻をへし折られて終わってしまった。

 日本がベスト16でクロアチアに敗れた後、森保監督からは「続けるしかない。自分が悔しくても続ける先にしかそれを晴らせるチャンスはない。それを我々は見ているし、それを期待している」と言われた。

妻でモデルの由布菜月さんとのツーショット。「妻が可愛すぎる」とネットで話題になっている(本人のInstagramより)

 上田は、そこから這い上がっていく。

 代表で1トップに求められたのは、ポストプレーだった。ポストプレーとは、相手ゴールに背を向け、相手DFを背負いながら味方からのパスを受け、ボールを保持し、味方選手が攻撃に参加する時間とスペースを作り出したり、自らが反転してシュートを狙うなど、攻撃の起点となるプレーのことだ。

 上田は、それがどちらかというと苦手だった。

 だが、上田にとってラッキーだったのは、そのプレーを日本代表だけではなく、フェイエノールトでも求められたことだ。それができなければクラブでも生きていけない。上田はフィジカルの強さを高めると同様に、受ける時のタイミング、相手と当たる時の姿勢などを繰り返し練習し、マスターしていった。