肩が前に倒れ、首~頭が前に出て、背中が丸くなる。この姿勢は、一見すると「ラクそう」に見えますが、実はとても不安定です。姿勢よく立っている状態と比べると、重心は前方に偏り、そのままではバランスを保ちにくくなります。

そこで人は、無意識のうちに帳尻を合わせようとします。重心を後ろへかけ、倒れないようにするのです。するとどうなるか……。

○骨盤が後ろに倒れる
○背中がいっそう丸まる
○股関節に余計な負担がかかる
○バランスを取るために、ひざまで曲がってくる

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こうして、体全体で「崩れた姿勢」を支えるようになります。このバランス調整は意識していない状態で行われるので、自分が「そうなっていること」に気がつくことができないのです。

「昔の自分」を基準にしてはいけない

この2人のイラストのうち、どちらが若くイキイキとして見えるでしょうか。

当然、Aですよね。Bのような姿勢で、小さな歩幅のちょこちょこ歩きをしていると、「老けて見える」「疲れていそう」という印象になります。

ところが、当の本人は気づいていなかったり、認めようとしなかったりします。そのため、周囲から老いを指摘されても、「私はまだ大丈夫」「年寄り扱いしないでほしい」などと言ってしまうわけです。電車などで若者から席を譲られて「自分は老人じゃない!」などと怒りの感情が湧いてしまう人は、周りから見えている姿と自己認識とのズレを自覚したほうがよいかもしれません。

なぜ、人はなかなか自分の老いを認められないのでしょうか。その大きな理由のひとつが、過去の栄光です。

「学生時代は運動部で、ずっと体を動かしてきた」
「若い頃は仕事で走り回っていて、体力には自信があった」
「趣味のスポーツでは、仲間内で一番だった」

私のところに来られる患者さんの中にも、このようにおっしゃる方がたくさんいます。こうした若い頃、元気に動けていた頃の記憶が心の中に強く残っていると、無意識のうちに“今の自分”ではなく、“昔の自分”を基準に体を評価してしまいます。