あの人とこの人が組むと必ず面白いモノが生まれる。ビジネスやものづくりの現場には不思議な勝利の方程式がある。6月30日からレギュラー放送が始まる「アイカタ~大切な人の【イイところ】撮ってきてください~」シーズン2のMCは加藤浩次、演出はかつて「めちゃ×2イケてるッ!」や「FNS27時間テレビ」などを手掛けた片岡飛鳥。放送されるのはお台場ではなく、渋谷のNHKだ。

 伝説の番組が終了して8年。再びタッグを組んだ2人は、なぜいまNHKの「ドキュメンタリー」を選んだのだろうか?

「アイカタ」のMCをつとめる加藤浩次さん ©NHK

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バラエティーの鬼が、NHKで挑むドキュメント番組

 台風6号が直撃した6月3日、都内某所で収録は行われた。「アイカタ」を企画・演出する片岡飛鳥さんはフジテレビ時代に「めちゃ×2イケてるッ!」を担当していたヒットメーカーで「バラエティーのフジテレビ」を象徴するようなテレビマンだ。

 この番組では撮影者が自分にとって一番大切な人である“アイカタ”の【イイところ】を、本人に密着して撮影する。初回では、パン屋のご夫婦や人気漫才コンビのエバースが登場する。気心知れた者どうしが対峙する半径3mの世界には照れや恥じらいを越えた先に本音が次々にあふれ出ている。“いい距離感”がそこにはある。片岡さんは「アイカタを愛する気持ちは映像におのずとにじみ出てくる。そんな撮影者たちの強い愛情が番組を勝手に面白くしてくれます」と自ら分析する。

「どんな人でも、自分の生まれたばっかりの赤ちゃんって、最高の写真を撮りますよね。アイカタって、そんな番組ですよね」

 収録の合間の加藤さんの一言だ。プロのカメラマンがロケをしない思い切った手法でNHKが得意とするドキュメンタリーというフィールドに挑む。

初回に登場するパン屋のご夫婦 ©NHK
「エバース」の2人。「アイカタ」では“半径3mの幸せ”が描かれる ©NHK

「めちゃイケ」神回でカメラを回していた片岡飛鳥

「アイカタ」の着想は遡ること25年前、片岡さんのテレビマンとしての原体験が発端にある。「めちゃ×2イケてるッ!」で加藤浩次さんが世間に隠していた妻との結婚、そして第一子誕生までの日々を極秘密着した伝説の企画、加藤さんと半年間1対1で向き合いカメラを回していたのが片岡さん自身だった。放送後、普段決して他人を面白いと言わない先輩から「あの、加藤のリアルな表情は飛鳥しか撮れない」と褒められたことが今も忘れられないという。

「被取材者との距離感を間違えるとカメラは時に人を傷つけるものになるかもしれない。しかし、少なくともエンターテインメントの世界においては愛情をもって対象を撮影して、魅力的に切り取りたい。それが僕の方法論のひとつですかね。『アイカタ』という番組には加藤浩次と私の関係の根っこのようなものがある。そんなこともあってMCに加藤さんを招いたんです」