かつて国民的アイドルのドーム公演にナインティナインの岡村隆史さんをたびたび乱入させたような大仕掛けの企画とは真逆の“半径3mの幸せ”を描く。これが「片岡飛鳥のいま一番面白い」なのだろう。

片岡飛鳥さんはかつて「めちゃイケ」を担当していた ©NHK

加藤浩次という「テレビの達人」

「加藤さんはそもそも狂犬、チンピラ芸人ですよ。そんな彼が今日こんな風に仕事も家族も充実して幸せになるなんて想像していなかった。絶対にどこかで野垂れ死ぬと思っていました(笑)」

 片岡さんは若き日の加藤浩次さんをこう振り返る。収録にのぞむ加藤さんから狂犬ぶりは微塵も感じない。MCとしての役割は、スタジオでドキュメンタリーを見て、様々な人生を受け止め、リアクションするというもの。1969年生まれの加藤さんは現在57歳、ご本人には怒られるかもしれないが、「アイカタ」でMCをする加藤さんは実に優しい。番組に登場するドキュメンタリーの主人公たちは紆余曲折の人生を歩んできている。そのすべてを加藤さんは見事に受け止めている。

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 末次徹NHKエンタープライズプロデューサーによれば、

「驚くほどに的確で温かいMCをしてくれる。映像の中に込められているメッセージやストーリーを汲み取る読解力がずば抜けている。いろいろな方とご一緒してきましたが、想像以上に加藤浩次さんはテレビの達人です」

 片岡さんは感慨深げにこう語る。

「『めちゃイケ』が終わってしばらく仕事をしていなかったですけど、いまの加藤さんはいろんなものを受容できる懐の深さとか人間的な厚みみたいなものがある。若いころからずっと馬鹿なことを一緒にやってきたけど、いまは彼のことがとても誇らしいですね」